2023.3.24

iYell、住宅ローン業務代行サービス「いえーる ダンドリ」をFC展開

データやノウハウを地域事業者に提供し工務店などを支援

iYellは住宅ローン業務を代行する「いえーる ダンドリ」をFC展開する。特に地域のハブである建材流通事業者への提案に力を入れ、地域の工務店などへの採用強化につなげる考えだ。

いえーる ダンドリのイメージ

日本最大の住宅ローンテックのiYell(東京都渋谷区、窪田光洋社長兼CEO)が、住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」のFC事業を本格的にスタートした。

「いえーる ダンドリ」は、住宅事業者や不動産事業者のローン業務を代行するサービスだ。住宅事業者などは営業担当者がローン業務を手掛けるケースがほとんどだが、住宅ローン商品は非常に多く、現在、1万種ほどと言われる。一方、不動産価格や建築価格が高騰する一方で収入は減少しておりローン審査は厳しくなっている。ひと昔前に比べ住宅ローンの業務は難易度が上がっており、営業担当者の負荷も高まっている。

同社は月1000件以上のローンの相談を受け、金融機関とやり取りをしているため、常に情報がアップデートされ、知識やノウハウが蓄積されている。さらに住宅ローンの専門家であるオペレーターが案件の対応を代行し、ユーザーへのヒアリングや説明を行う。営業担当者の時間が削減でき、承認率も上がることから結果的に売上増に寄与する。

地域事業者の展開できめ細かな対応が可能に

このセールスからオペレーションまでの一連の流れをフランチャイズで展開する。約一年間かけて4社で試験的に運用、昨年の年末に本格的にFC展開をスタートさせた。

「FC展開は住宅業界の特性に合っている。中小の工務店や不動産事業者は地域密着であり、人のつながりを大事にするマーケットで地域事業者が展開する方が理に適っている。また、きめ細かな対応も可能になる」(社長室・石川仁健室長)との狙いだ。FC店に対しては、iYellのデータベースやアプリ、ローンの審査ノウハウなどを提供、オペレーターはFCが抱えることになるがその教育などの支援も行う。また、iYellは「いえーる ダンドリ」以外にも、オリジナルのつなぎ融資やリフォーム向けのプロダクツなどさまざまな商品を持っており、FCに加盟することでこれらを取り扱うことができる。

フラット35や保険の代理店、住宅のコンサルなどを想定しているが、中でも力を入れようとしているのが地域の建材流通事業者だ。「建材流通事業者は地域のハブで、さまざまな情報が集まる。新たなサービスを提供することで存在価値がさらに高まるとともに、住宅事業者なども受け入れやすい」と見るためだ。具体的には、取引のある工務店に「いえーる ダンドリ」を提案、契約してもらい、施主などのローン相談を建材流通事業者が対応するという流れだ。

これまで建材流通事業者や損保代理店などに向けて告知し、1カ月半で3社が加盟した。この3月末までに5社、2023年度は月間一社ずつ程度の加盟を想定する。さまざまな業種の加盟が考えられることから、業態によって個別対応していく考えだ。