近藤建設、断熱等性能等級7をクリアする高断熱モデルハウス
電気代高騰を受けて想定以上の反響
近藤建設は、埼玉県坂戸市で高断熱モデルハウスを建設した。最高ランクの断熱基準・断熱等性能等級7をクリア。電気代高騰などを背景に高まる超高断熱住宅へのニーズに対応していく。
近藤建設(宇佐見佳之社長、埼玉県ふじみ野市)は、住宅建築一式工事の設計・施工・管理を手掛ける「ハウジング事業部」において年間約180棟を販売。内訳は注文住宅が約130棟、分譲住宅が約20棟、その他、賃貸住宅なども手掛ける。注文住宅では、長期優良住宅の認定取得を標準とし、高性能住宅を強みに提案を強化している。近年、脱炭素を背景に、住宅・建築物の省エネ対策の動きが一気に加速していることに合わせ対応を急ぐ。
2022年4月から、住宅性能表示制度における断熱等性能等級において、ZEH水準に相当する等級5が新設され運用が開始。また、22年10月からHEAT20のG2、G3レベルに相当する断熱等性能等級6、7も創設された。これにあわせて長期優良住宅などの省エネ性能に係わる認定基準も変更された。従来は断熱等性能等級4をクリアすることが要件であったが、断熱等性能等級5、ZEHレベルの断熱性能をクリアすることなどが求められる。
こうした制度改正に合わせて、同社は、注文住宅において長期優良住宅の認定取得を標準としているため、断熱等性能等級5を提案の最低ラインに設定し直した。また、今回、同社初の取り組みとして、最高ランクの断熱基準・断熱等性能等級7をクリアする高断熱モデルハウス(地上2階、延べ床面積125.97㎡)の建設に挑戦した。設計グループの發智良幸氏は、「硬質ウレタンフォームによる充填断熱、また、屋根断熱の厚みの調整、高性能窓の採用などにより、断熱等性能等級6までは対応できるが、等級7まで上げようとすると充填断熱だけでは限界がある。木造を手掛ける住宅会社として、等級7という基準が新設される以上は、対応できるようにしておく必要がある。新基準の運用が開始されるタイミングで確認申請ができるように準備してきた」と話す。
モデルハウスのUA値は0.26W/㎡・K、また、C値は0.33㎠/㎡。硬質ウレタンフォームの充填断熱、フェノバボード60㎜の付加断熱を組み合わせ、屋根には硬質ウレタンフォーム210㎜を吹き付け、また、ネオマフォーム80㎜の基礎断熱とした。さらに、YKK APのトリプル樹脂サッシ、APW 430、熱交換換気システムなどを採用。リビングを中心に吹き抜けのある空間とし、2階と1階の2カ所に2台のエアコンを設置し、夏は2階のエアコンを稼働させ冷気を循環させ、冬は1階のエアコンで暖房し、家じゅうを暖める計画だ。發智氏は、「断熱等性能等級5と7の比較のイメージとして、モデルハウスのある坂戸市で言うと、冬期間の最低体温が概ね10℃を下回らない基準が等級5、概ね15℃を下回らない基準が等級7となる。体感温度で5℃以上の違いがある。ヒートショックなどの健康被害防止効果や、電気代節約効果などが期待できる」と説明する。
モデルハウスは4月オープンの予定。オープンに先立ち、2月に構造見学会を開催した。多くの見学者から「やっぱり暖かいですね」と高評価を得ている。
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