その換気システムは空気質の改善ができているか CO2モニター無料配布で換気の本質を問う

日本住環境 営業本部 本部長 橋田昌之 取締役

住宅の気密性能が向上したことにより、室内換気の重要度が増している。そんななか、日本住環境がCO2モニターの無料配布を実施した。室内換気の現状とモニター配布のねらいについて、取締役 営業本部長の橋田昌之氏に伺った。

──CO2デュアルビームモニターの1000台無料配布について、どんなねらいがあるのですか。

日本住環境 営業本部 本部長
橋田昌之 取締役

今回のキャンペーンは、2022年に販売15周年を迎えた当社の室内換気システム「ルフロ400」を記念して、何かインパクトのあることをしたいというところから始まりました。

私たちは、住宅の性能を測るうえで気密、断熱、冷暖房、室内換気の4つが重要な要素であると考えています。この4つがきちんと揃うことで住宅の性能が保たれます。しかし、気密ならC値、断熱ならUA値、冷暖房は温度といったようにそれぞれ指標があるなか、室内換気には指針となるものがありません。例えば、気密性能であれば、工務店同士様の会話で、この家はC値がいくつであるというような会話が生まれますが、室内換気については、どの換気システムを導入するかという議論で止まってしまい、結論を出す決め手となるものがありません。そこに何らかの基準があれば、もっと深い話ができるのではないかという気持ちがありました。

もうひとつは、”室内換気を実現したい”ということです。今、省エネという言葉がすごい勢いで広がり、省エネ性の高い換気システムがもてはやされています。もちろん、私たちは気密をもって省エネ性能を高めている会社であり、室内換気システムにおいても、適正な環境であれば非常に少ない消費電力で稼働できる第3種換気の「ルフロ400」という製品を取り扱っています。しかし、何のために換気をするのかという点を改めて問い直したい。省エネ=熱交換型というイメージが強いようで、熱交換型換気システムへのお客様の関心は非常に高いですが、熱交換型かそうでないかといった基準だけでなく、本来の目的である換気がどのくらい行えるのかという観点からも考えてほしいと思います。

私たちが見つめるのは空気質です。空気清浄機は埃や粉じんといったイメージできるものを除去しますが、空気を本質からきれいにするには、やはり換気が必要です。外の空気と取り換える、あるいは希釈することによって空気をきれいにし、余計な水蒸気を排出して表面結露を防止します。では目に見えない空気質をどのように測るか。その尺度としてCO2濃度に着目しました。室内のCO2濃度は一般的に1000ppmを下回るべきと言われています。CO2モニターを置くことで、空気質を意識するきっかけにしてもらえればと思います。

最近では、住宅について勉強している施主の方が多く、施主から工務店様に「C値はいくつ以下にしてほしい」、「換気はこの製品を使ってほしい」といった要望が増えているようです。CO2濃度をそういった会話の中で話題に上るような値にできればと思います。少なくとも、日ごろからお付き合いのある工務店様の間で室内換気がもっと具体性をもって語られるようになってほしいと思い、第一歩として1000台の無料配布を決めました。

CO2モニターについては、しっかりとした性能のものを配布したかったので、経産省がガイドラインで推奨しているNDIRという方式を採用しているCO2モニターを選びました。

換気システムは設置がゴールではない
正しい設計、メンテナンスがあってこそ

──ルフロ400が15周年を迎えるにあたってモニター配布を企画したとのことですが、ルフロ400はどのような換気システムなのですか。

ルフロ400は、ダクト式の第3種換気システムです。静圧の高いファンを使用し、少ない電力で空気を運べるので、省エネ性にも優れています。


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