(独)都市再生機構/東洋大学情報連携学部、オープン・スマート・URのモデル住戸を完成
IoTやAIを活用したサービス提供に向け実証実験
UR都市機構と東洋大学情報連携学部が、旧赤羽台団地の4室をリノベーション、スマートハウスのモデル住戸を整備した。実際の暮らしを通じた生活モニタリングによる実証実験を行う。
(独)都市再生機構(UR都市機構)と東洋大学情報連携学部(INIAD)が、IoTやAIを活用した生活可能なモデル住戸を4戸整備し、実際の生活を通じてのデータ取得・分析による実証実験を行う。
UR都市機構とINIADは、平成30年に技術協力の覚書を締結、「HaaS(ハウジング・アズ・ア・サービス)という新しい発想で、情報技術を活用した魅力的で安心な生活環境である「Open Smart UR」ビジョンを提案している。UR賃貸住宅においてIoTやAIなどを活用しさまざまな生活関連サービスを提供していこうと考えているもので、令和元年には、UR都市機構・INIAD・民間企業が連携する「Open Smart UR研究会」を発足、現在民間企業67社が参画して活動を続けている。
今回整備したモデル住戸は、旧赤羽台団地(東京都北区)に設置したもの。同団地は東京23区内初の大型団地として開発されたもので、1962年に入居が開始された。2000年から老朽化に伴う建て替え事業が進められ、「ヌーヴェル赤羽台」として生まれ変わっている。この団地の一角、板状住棟一棟(41号棟)と、スターハウスと呼ばれた星形の住棟3棟が残され、2019年に国の登録有形文化財として登録された。モデル住戸は、この板状住棟の101号室、102号室、301号室、302号室を活用した。
101号室と102号室は「カスタマイズモデル」で、東洋大学情報連携学部の坂村健学部長がデザイン、間取りを含め住戸全体を大きくリノベーションし、住まい手にあわせた内装やスマート技術を導入した。照明やエアコン、スマートロックなど、さまざまな設備がAPI連携で制御可能となっている。また、玄関スペースを活用する「スマート置き配スペース」や稼働家具なども実装している。住戸面積39㎡と小さな空間ではあるが、動態解析カメラセンサー、サーモイメージセンサー、温湿度やCO2濃度などを検知する環境センサーなど100以上のセンサーを設置し、狭小住戸のIoT化による「コンパクト&ラグジュアリー」を追求した。
一方、301号室と302号室は「ベーシックモデル」で、一般的なUR賃貸住宅にスマート技術を取り入れた。照明、エアコン、スマートロックなどのさまざまな設備がAPI連携で制御可能となっている。
年内いっぱいOpen Smart UR研究会など関係者などの見学会を開催、来年から実際の生活をしながら1年間程度をかけてデータ取得を行う予定だ。現在、実装の予定は未定だが、UR都市機構では「高齢者の見守りや健康維持が重要なキーワード。また、若い世代も含めたコミュニケーションや、環境負荷を減らす暮らし方に、IoTやAIによる生活サービスは有効なツールと考えている。どのような層に、どのようなサービスが効果的なのかを検証していきたい」と、将来的な導入を見据えた検証を行う考えだ。
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