2022.11.16

(一社)プレハブ建築協会、住生活向上推進プランの21年度実績を公表

集合住宅含め居住段階のCO₂削減を推進

プレハブ建築協会は「住生活向上推進プラン2025」の2021年度実績を公表した。「顧客満足はもちろん、環境面からも、居住段階のCO₂削減が最重要課題」と位置付け、取り組みを加速する。

2021年10月、新たに「住生活基本計画」の追加目標と新規成果指標や、国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」への対応を考慮して、住宅部会の新たな5ヵ年計画「住生活向上推進プラン2025」(2021年~2025年)を策定した。住宅部会として、わかりやすく目標発信と更なる推進を図るため、環境行動計画「エコアクション」の目標管理指標と「住生活向上推進プラン」を一本化した。25年度の成果管理目標として、新たに戸建住宅におけるZEH供給率:80%、居住段階における一次エネルギー消費量削減率(再エネ含む):基準建物比100%削減、低層集合住宅におけるZEH-M供給率:25%、居住段階における一次エネルギー消費量削減率(再エネ含む):基準建物比50%削減、断熱・省リフォームによる一次エネルギー消費削減量:20年度比15%増といった項目を設定した。調査対象は、住宅部会20社のうち、環境分科会参加の7社。対象供給面積は戸建が前年度比3.1%増の542.5万㎡、集合が同8.3%増の385.0万㎡。

低層集合住宅のZEH-M供給率の実績と目標

それによると、戸建のZEH供給率は前年度比4.6ポイント増の66.9%(注文68.9%、分譲50.8%)。特に分譲で12.0ポイントの大幅増となった。新規集計項目に加えた一次エネ消費率は、省エネ基準における基準建物に対し74.9%減。特に温暖地域における削減率が大きく、4~7地域では50%を超えている。

新築戸建て住宅における断熱性能は、ZEH基準(強化外皮基準)とZEH+要件を満たす断熱性能の住宅は79.5%となった。高効率給湯器の設置率は同5.8ポイント減の89.4%となり概ね9割を保った。太陽光発電設置率は同1.5ポイント増の71.0%で過去最高、蓄電池は同0.5ポイント減の32.5%となった。

低層集合住宅のZEH-M供給率(ZEH-M、Nearly ZEH-M)は、同2.9ポイント増の4.3%。棟数ベースでは337棟であり、Nearly ZEH-Mが8割超を占める。新規集計項目の一次エネ削減率は31.8%。その省エネ・創エネ仕様をみると、断熱性能は、等級4以上が93.0%で、強化外皮基準(ZEH基準)相当は36.2%となっている。

高効率給湯器の設置率は同3.8ポイント増の82.1%。太陽光発電システムの設置率は、同4.7ポイント減の18.8%で、FITの買取価格低下に伴い減少傾向にある。

住宅ストックの一次エネ削減貢献量(省・創エネリフォーム前後における居住段階の一次エネ消費量の差分)は、断熱・省エネ改修共に増加し、同14.4%増となった。

断熱改修工事件数は、一次エネ削減貢献効果の約半分を占める「窓断熱改修」は11.3%増、約25%を占める「住宅丸ごと断熱」は7.7%増加。省エネ改修工事件数は、一次エネ削減貢献効果の半分超を占める「高効率給湯器」および「高断熱浴槽」が増加した一方、その他のアイテムは減少。太陽光発電システムの工事件数は、減少傾向が止まらず、プレミアム買取価格が終了した15年度実績と比べて、約1割強の水準まで減少した。