朝日ウッドテック、天然木の魅力をさらに訴求へ
国産広葉樹の活用、挽き板カウンタートップなどを展示
朝日ウッドテックは「WOODTEC FAIR 2022」を開催し、新製品を多数展示するなど、来場者に向けて天然木の魅力を全面的に訴求した。
同社は創立70周年記念の一環として「WOODTEC FAIR 2022」を10月19日~21日の3日間、東京国際フォーラムで開催した。フェアのコンセプトは「天然木がつくる幸せの循環」。これは同社が掲げる新たな指針でもある。フェアは3日間で約5000人が来場する盛況ぶり。11月には15日~17日まで大阪での開催も予定しており「東京会場と合わせて来場者8000人を目指したい」と意気込む。
会場では銘木商から始まった同社の歴史70年の振り返りコーナーや、広葉樹の特徴などを分かりやすくまとめたパネルなどを展示したが、特に注目度が高かった展示が新製品コーナーだ。
同社が2022年8月に発売した挽き板フローリング「Live Natural Premium(ライブナチュラルプレミアム)オール国産材」は、国産ヒノキ合板と国産材単板を組み合わせたハイブリッド合板に挽き板の国産材表面化粧材を合わせたもので、これまでの「ナラ」、「クリ」、「セン」、「ヤマザクラ」、「ヒノキ」の5樹種に加え、今回のフェアで新たに「ヤチダモ」、「ハルニレ」、「オニグルミ」の広葉樹3樹種を参考出品した。
同社によれば、2020年度の国産広葉樹の需要部門別丸太供給比率はチップ用が94%と大部分を占め、合板用、製材用は合わせて6%しかないという。そこで、国産広葉樹の需要先拡大を図ることで、その市場価値を高め、山側にも利益が還元される仕組みを確立し、最終的に広葉樹の合板用、製材用の丸太供給率を高めたい方針だ。
また、床以外の内装材でも新製品の展開を発表した。同社はこれまで挽き板を床面で使用してきたが、これを立面にも広げようと、「Live Natural Premium And More(アンドモア)」のリブランディング商品となる銘木無垢・挽き板内装材「WOODRIUM(ウッドリウム)」シリーズを今回のフェアで初めて参考出品した。
なかでも「WOODRIUMボード」は芯材に27㎜のラジアータパインを使用し、その表裏両面に2㎜厚の挽き板を張った板材で、耐ヘコみ傷、耐擦り傷、耐摩耗性、耐水性を備えるプロテクト塗装を施す。キッチンのダイニングカウンターや洗面台のカウンタートップといった水回りなど、これまで木があまり使われてこなかった箇所での利用も検討しており、空間価値の向上につなげたい狙いだ。
実際に、会場ではWOODRIUMボードを使用したシステムキッチンを展示しており、来場者の目を引いていた。
同社は「床はLive Natural Premiumをはじめとした看板製品を持っているが、立面にはそういった製品がない。今後、WOODRIUMを中心に挽き板の立面への普及拡大を図っていきたい」と話す。発売は来年4月を見込んでいる。
このほか、2023年1月に発売予定の天然木を使用した壁・天井材「the wall」の不燃タイプ・レッドシダー仕様なども展示し、天然木の魅力を全面的に押し出した。
CO2排出量・固定量を可視化
環境価値を訴求し、脱炭素を支援
製品以外では、複合フローリング一枚の製造過程でのCO2排出量と、同フローリング一枚のCO2固定量を可視化する展示も行った。製品の製造過程でのCO2排出量まで可視化している建材メーカーは珍しいという。
同社では製品のライフサイクル全体にわたる環境情報を定量的に開示するエコリーフ製品の認証を「Live Natural Premium MESSAGE Hard(メッセージハード)」という非住宅向けの土足用フローリングで2022年7月に取得しており、同製品の製造過程でのCO2排出量は6.7㎏/㎡となっている。
一方、同製品のCO2固定量は14.9㎏/㎡で、これは年間生産量では9410万8000㎏と、東京ドーム66個分の森林面積と同じ固定量に匹敵するという。
最近、環境配慮型建築の実現に向けて住宅メーカーなどが建材メーカーに各部材のCO2排出量などの開示を求める傾向があるが、こうした需要にも対応できる。
エコリーフ認証は現在、MESSAGE Hardでのみ取得済みだが、今後の反響次第では取得製品を広げることも視野に入れる考えだ。
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