2022.8.25

平屋の新商品開発が加速

身の丈に合った空間求め、〝卒賃貸〟層などから支持

平屋の新商品開発が活発化している。総務省の「2020年国勢調査」によると、平均世帯人数(1世帯当たりの人数)は全国平均で2.27人と、単身世帯や夫婦のみといった世帯の割合が多くなっている。世帯あたりの人数の減少により、身の丈にあった空間を求める人が増えており、平屋のニーズが高まっている。

大和ハウス工業は、販売好調なWeb 限定の規格型住宅商品「Lifegenic」に、4月から平屋を追加した

ケイアイスター不動産のグループ会社、Casa roboticsは、「シンプルでコンパクトな暮らし」をコンセプトとした規格型平屋注文住宅「IKI(イキ)」を展開する。非接触型営業やVRでの内覧、インターネットやアプリなど新たな技術を活用した接客とマーケティングに力を入れ、店舗の運営コストを低減し、税込み価格17坪(約57.9㎡)で649万円〜という価格帯を実現。IKIの受注拡大により、ケイアイスター不動産の22年3月期の注文住宅の受注棟数は前期比14棟増の190棟、売上高は同126.2%増の33億500万円となった。また、22年3月下半期のIKIの契約状況、来場者アンケートを分析した結果、「夫婦/パ―トナー」の購入者の割合が33%でトップとなり、全体の75%を40代、50代が占めた。「住宅購入を考えたきっかけ」への回答内容には「アパート」、「家賃」、「もったいない」などのキーワードが多く上がり、賃貸から戸建への切り替えを検討する中で、平屋が選択肢の一つに上がることがわかった。

大和ハウス工業は、20代~40代の一次取得者層の獲得を目指して開発したWeb限定の規格型住宅商品「Lifegenic(ライフジェニック)」のラインアップを拡充し、4月から平屋を追加した。Webサイトで6つの質問に回答するだけで、ライフスタイルを診断。外観スタイルやインテリアデザインを提案する。また、デザインや設備などの条件を選ぶ「こだわり条件」によるシミュレーションも用意。仕様やデザインを決定すると、概算価格を提示する。平均販売価格は2000万円~2500万円。一都三県の郊外、中部、近畿エリアなどで販売は伸びている。人気の平屋をLifegenicのプランに追加し、狙い通り販売は好調だという。

パナソニック ホームズは、7月から「カサートX 平屋LCCMモデル」を発売した。同社オリジナルの全館空調システム「エアロハス」を標準装備し、きれいで快適な温度の空気による居住性と省エネを両立する。「エアロハス」は、一般的な全館空調システムと比較して、宅内給気過程の地熱利用や高断熱性能の建物に加え、高効率専用エアコンの採用等により、消費エネルギーを約26%削減。

太陽光発電システムの搭載量を抑えてLCCM対応が可能となり、太陽光発電システムの搭載にかかる初期費用を抑えることができる。参考価格は坪当たり100万円台~。