“ゆとりと暮らす”家づくり 住み心地や安心が高く評価され安定成長

DX化で飛躍するビルダー エサキホーム

愛知、岐阜、三重の3県で分譲住宅を展開するエサキホーム。
5LDKが標準、たっぷりの収納など住み心地にこだわる家づくりが高く評価され、販売棟数を伸ばしている。
この成長にあわせ、今、社内のシステムを大きく見直そうとしている。

エサキホームは、愛知、岐阜、三重の3県で分譲住宅を年間600棟程度供給する住宅事業者だ。

江㟢豪治 代表取締役社長

その家づくりは「ゆとりと暮らす家」というコンセプトに明確に表れている。地域の分譲住宅は大きくても35坪ほどであるのに対し、同社の家は基本的に42・5坪と約7坪も大きい。その広さを生かして5LDKの間取りを標準とし、適材適所にパントリーやウォークインクローゼットなどの収納を設け、余計な家具などを置かずに広々とした暮らしを実現することができる。

「夫婦二人に子供二人なら4LDKでもよいかもしれません。しかし、人生何があるかわかりません。家族構成の変化、ライフスタイルの変化に柔軟に対応する住み心地を提供したいと考えています」と、基本的な家づくりの考え方を語る。

こうした家づくりはユーザーから高く評価されている。入居者アンケートで購入の決め手を聞いているが、「収納の多さ」、「部屋の広さ」、「部屋数の多さ」がトップ3だ。

すべて長期優良、性能評価つき
構造計算で安心も担保

また、「安心な暮らし」も大きなポイントだ。エサキホームの家は全棟、長期優良住宅の認定を受け、住宅性能評価書を取得している。例えば、耐震等級3、劣化対策等級3、断熱等性能等級4を公的なお墨付きで担保しているわけだ。また、手間のかかる構造計算を一棟一棟行っている。これらは顧客へしっかりと”安心”を担保し、わかりやすく伝えるという同社の姿勢の表れだ。

プランや設備、仕様なども常に見直し、進化を図る。例えば、コロナ禍においては、リビングにちょっとした作業スペースを設けて在宅ワークをしやすくしたり、動線を工夫して、帰宅したらリビングを通らずに洗面所で手が洗えたりといった細かな配慮を家づくりに反映させている。

全部門が明確なビジョンでシステム導入を準備

エサキホームは今、基幹システムである「住宅マネージャー」の新バージョンの導入を進めつつある。

同社は10年ほど前に住宅マネージャーを導入している。しかし、この10年間で年間の供給棟数が大きく伸び、社員も増えるなど企業の規模は大きく変わった。より効率的な環境づくりを目指し、業務を支えるシステムを大幅に見直す決断を下した。それが基幹システムの全面刷新である。

今、新・住宅マネージャーの導入に、全社をあげたプロジェクトとして取り組んでいる。

基本的には、基幹システムとして「住宅マネージャー」をすべてのシステムの中心に据え、すべての部署の、さまざまなデータを住宅マネージャーに集約する。まさに情報プラットフォームである。

新システムの導入にあたってまず行ったのが、業務全体の流れの把握だ。それぞれの部署にヒアリングを行うとともに、システム導入にあたっての共通認識を持ってもらうことに時間をかけている。システム導入と並行して業務全体の再確認を行い、すべての部署が目指すべきところのビジョンを明確に持ち、全社で取り組む体制を構築しているのである。

住宅マネージャーを提供するKSKは「システム導入の上流工程にしっかりと取り組むことがシステム導入の重要なポイント」と、事前の準備、社内の体制整備を重視しているが、その部分に時間をかけて取り組んできたのである。

データ集約で経営判断のスピードアップに期待

住宅マネージャーに情報を集約することで、スムーズな工程管理が可能に

システムの刷新で、最も期待しているのが工程管理だ。同社は分譲住宅を手掛けており、土地の仕入れから引き渡しまで一連の流れのなかでそれぞれの部署が関わる。さまざまな工程が同時並行で進んでおり、もし、どこかで工期遅れが発生すると、後の工程すべての見直しが必要になる。例えば、土地の造成工事は何が起こるかわからず、どうしてもイレギュラーな対応が求められるケースが発生しがちだ。これまで、部署ごとにエクセルなどのツールで工程管理を行っていた部分もあり、工程のズレを他部署が把握することが難しかったが、住宅マネージャーに情報を集約することで、スムーズな工程管理が可能になる。

また、企業経営という視点では、判断のスピードアップを目指している。これまで経営判断を行うためのデータは、各部門からそれぞれ提出されており、タイムラグが生じ、場合によっては異なるデータが提出されるケースもあったという。住宅マネージャーにすべてのデータを集約することで、リアルタイムにデータを見て、適宜の経営判断が可能になる。「さまざまな変化のなかで、業務を変更していくこともある。都度の判断をスピードアップできることに期待している」と、業務効率化の先の、DXによる経営改革までを見据えている。

新システムの本格稼働は2023年7月。エサキホームの入念な準備が進められている。

株式会社KSK

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