2022.6.24

パナソニック ハウジングソリューションズ、生活者意識の変化を踏まえた新・水回り事業戦略

多様な入浴スタイル提案などで24年度1300億円を目指す

パナソニック ハウジングソリューションズは2024年度の水回り事業の売上高として、コロナウイルス蔓延前の1200億円を上回る、1300億円を掲げた。暮らしへのこだわり、自分らしさの追求など消費者意識の変化への対応を進める。


「リフォーム需要が増加することで、顧客自らが製品を選ぶ機会が増えてくる」と語る松下事業部長

同社は国内建築市場規模について、昨年度から2030年度にかけて4.3兆円減少し、全体的に縮小すると見込むが、リフォーム・リニューアル市場は堅調に推移すると予想する。新築着工が伸び悩む中で、コロナ禍の影響を受けて、自分らしいライフスタイルにあった住宅を選びたいとリフォーム・リニューアルが加速するためだ。同社独自の意識調査では、コロナで変化した意識や行動に「自分らしく生きる」を挙げた人が約3割いた。

こうした社会課題や意識の変化によって、顧客が住宅に求める価値が多様化。同社はこれまで「家事ラク」、「空間価値向上」という普遍的なキーワードのもとで水回り商品の開発を行ってきたが、こうした住まいへのニーズの多様化、個性化を踏まえ、新たに「環境配慮」、「健やかに生きる」をキーワードに追加した商品を拡充し、時代の変化に対応する方針を掲げた。「リフォーム需要が増加することで、顧客自らが製品を選ぶ機会が増えてくる。顧客が選びやすい商品を展開していくことで、事業をけん引していくのではないかと考える。」(松下芳郎 水回り事業部 事業部長)と、新たな切り口の商品開発による事業拡大を狙う。

こうした商品開発を通じて2024年度の水回り事業では、コロナ禍前の売り上げ1200億円を超える1300億円を目指す。

8月に発売を予定する新型バスルーム「BEVAS」

その先駆けとして、8月に発売・リニューアルを予定しているのが、バスルーム「BEVAS(ビバス)」、システムキッチン「L-CLASS(エル-クラス)」、「Lacucina(ラクシーナ)」、洗面ドレッシング「アクアファニチャー」だ。

「BEVAS」は、コロナ禍でバスルームへのこだわりが増加したことを受けて「バスルームがいちばん私らしい場所になる」をコンセプトに開発した新商品。多様な入浴スタイルに合わせたバスタイムの提案が可能で、「3Dプロテクトクリーンフロア」や「ビームシャワー」など、標準搭載する機能で上質なデザインと清掃性を両立する。

オーダー対応を強化したのが「L-CLASS」と「Lacucina」だ。「L-CLASS」はカウンターからシンク、水栓まですべてを黒一色で統一できるように揃え、ブラックコーディネートの完成型を追求した。独自のスゴピカ技術でキズや水垢の心配もない。一方、「Lacucina」はトレンドの新柄であるグレイッシュ系トーン色を拡充するほか、家族のライフスタイルに合わせた可変性のある収納などを提案する。

「アクアファニチャー」は、手洗い習慣の変化に対応したコンパクト洗面。コロナウイルス拡大後、セカンド洗面としての設置需要が高まった。この度、タッチレス水栓と7色の新たな色柄を取り入れ、設置場所のイメージに合わせたカスタマイズを可能にする。