三井ホーム、脱炭素社会のモダンデザインを追求
新屋根型でデザイン性と大容量発電を両立
三井ホームは脱炭素社会のモダンデザインを追求した住宅新商品「IZM(イズム)」を発売した。35歳~45歳の子育て世代をターゲットに設定。近年の環境意識の高まりや多様化するニューノーマルな暮らしのニーズに対応する工夫を盛り込んだ。
新商品開発にあたり、ニーズ調査を行ったところ、環境問題に配慮した商品を購入したいと回答した人で、35歳~45歳の子育て世代は、他の世代より高く75%に上った。そこでIZMでは、地球環境に配慮し、サステナブルデザインを追求した。
高耐震・高気密・高断熱な性能を有するプレミアム・モノコック構法を採用。大開口や大きな吹き抜けがある大空間でも、ZEH基準を満たし、住宅性能表示制度の最高等級である「断熱等性能等級5」、「一次エネルギー消費量等級6」に標準対応する。
また、新しい屋根型「ウィングルーフ」を開発。これまでZEHなどに対応するため、大容量の太陽光発電システムを搭載する場合、切妻や片流れなどの屋根型が一般的であったが、IZMでは、風雨から外壁を守る深い軒がありながら屋根の存在を際立たせないシンプルなファサードを採用。高い発電効率を維持しつつ、屋根の存在感を弱め、道路側から建物を見上げた際、太陽光発電パネルが見えないように工夫した。
同社の2021年度のZEH比率は60%強。これを2030年度までに100%達成する目標を掲げる。IZMについては、太陽光発電システムを搭載し、100%ZEH化を目指す。2022年度にはZEH比率を70%以上に高める計画だ。なお、同社は、2022年4月、ZEH・ZEB推進室を新設。目標達成に向けた取り組みを先導する。
また、脱炭素化の取り組みの一環として、サステナブルな「木」を多用している。従来、外からの視線を遮るための高い壁を建てる場合、エクステリア工事にて鉄筋コンクリートでつくることが一般的で、長い工期が必要だった。IZMではシンボリックなエクステリア壁「プライバシーウォール」も建物躯体と一体的に「木造」でつくるため、工期短縮とコスト削減、さらには建設時のCO2排出量削減にも寄与する。
同社が実施したニーズ調査によると、35歳~45歳は、リモート実施率が高く、リモートワークでの不満として、「オンとオフの切り替え」、「集中力の持続」といった新たな問題点を挙げる人が多かった。そこでIZMには、多様化するニューノーマルな暮らしのニーズに対応する工夫も盛り込んだ。外からの視線を遮る「プライバシーウォール」を生かし、家の中と外がボーダレスにつながる多様な半戸外空間「ラナイ」を創出。屋外の快適さを気軽に愉しめる「ダイニングラナイ」のほか、リビングとつながる開放的な「オープンラナイ」、オン・オフを切り替えながら屋外ワークも可能な「スカイラナイ」などを提案する。「ひとりの時間も家族との時間も大切にしつつ、ライフスタイルにあわせた多彩な暮らし方が可能」(同社)だ。
プロトタイプ(56坪)の参考価格は5600万円。坪あたり100万円弱となる。初年度は200棟の販売を目指す。
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