【お知らせ】会員登録された方はブックマークをお使いいただけるようになりました。登録した記事は画面右上にあるしおりのボタンよりご覧いただけます。【お知らせ】プレミアム会員の方はハウジング・トリビューン最新2冊がブラウザでご覧いただけるようになりました。【お知らせ】 ハウジング・トリビューンVol.646(2022年15・16号)好評発売中です。【お知らせ】2022年4月1日施行の改正個人情報保護法を踏まえ、プライバシーポリシーに事業責任者・個人情報保護管理者の名称を追記いたしました。

2022.3.31

YKK不動産 パッシブタウン第4街区が竣工

脱炭素、ZEBの達成がテーマの保育施設

YKK不動産が、昨年4月に着工したパッシブタウン第4街区(富山県黒部市)、事業所内保育施設の竣工を発表した。BELSの最高評価やZEB認証を取得するなど、省エネ性の高い施設を実現した。


YKK不動産は、パッシブタウン第4街区の竣工を発表、YKKグループの事業所内保育施設「たんぽぽ保育園」として4月から運用を行う。「脱炭素への貢献」や「ZEBの達成」、「子供たちの安全」がコンセプトの施設となった。総合設計は田口知子建築設計事務所、設備設計は竹中工務店、施工は平野工務店。木構造の大空間を実現した同施設は、地域の木材を使用することでCO2削減に大きく寄与した。富山県東部(新川地域)の杉無垢材を採用し、杉利用によるCO2固定量は約48.0(t-CO2)と試算。また同社は、昨年10月に新川森林組合と共同で新川地域への植林を実施、植林によって吸収される50年後のCO2固定量は約57.0(t-CO2)と試算した。

第4街区に入る事業所内保育施設の「たんぽぽ保育園」

木材を多用した内部空間の実現に向けて、燃え代設計(火災時に燃焼し燃え止まる寸法を構造上必要な寸法に付加したもの)の準耐火構造を採用、材積を増やしたことで木材が吸収するCO2固定量を高めたほか、製材時に発生する端材を垂木や間柱に利用することで木造の有効活用を図った。壁面と屋根はグラスウール断熱材による充填と、フェノールフォームによる外断熱を施し、窓は樹脂窓と木製サッシを組み合わせたLow-E複層ガラスの「APW 330」を採用、UA値0.299W/㎡KおよびC値0.41[㎠/㎡]と、高い省エネ性を実現した。また、太陽の角度に応じて変更できる可動シェードなどによって室内の熱負荷を低減した。これにより、BELS評価(建築物省エネルギー性能表示制度)では、第1~3街区に続く最高評価の5つ星を獲得、18.75kWの太陽光パネル設置によるZEB認証も取得した。

新川エリアの杉をふんだんに使った大空間を実現した

さらに、子供たちの安全面に配慮した通風換気や快適な室内環境を実現する設計も施した。2016年から現地で測定してきた気象データを活用したシミュレーションをもとに、窓や設備の配置を決定し自然通風の効果を最大化、建具や家具の取り合い分の下部には、新鮮な外気を取り込むための吹き出し口を設けた。取り入れた外気を処理するコイル付き全熱交換器によって適温にコントロールした空気を床面近くから噴き出す設計とし、子どもが過ごす居室空間で求められるレベルにCO2濃度も抑えることを確認している。夏や中間期は、北東からのあいの風や西風による通風とシーリングファンの気流によって快適性を高め、冬は施設内の全面に施されたパネル式の床暖房によって輻射熱が主暖房になる環境を整備した。

25年3月の竣工を予定しているパッシブタウン最終の第5期街区については、この第4街区の実証をベースに、さらにステップアップさせる。「木造建築で世界的に活躍する欧州の建築家を起用する。日本の建築とは違う設計手法や考え方、視点を取り込み、木造建築の新たな姿を目指したい」(YKK不動産・代表取締役 吉田忠裕会長)と話す。

関連記事