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2022.3.16

島野工務店、全棟G3仕様の地域工務店が新ステージへ

企画型住宅の開発など高性能住宅の展開に拍車

長年の高性能住宅への取り組みが評価され省エネ大賞を受賞した島野工務店。
G3仕様の企画型住宅の開発など、健康・快適な暮らしをさらに広げる新たな展開を進める。


長年の高性能な家づくりが評価され、省エネ大賞をはじめ幾多の賞を受賞する島野工務店の島野勝行社長

島野工務店(栃木県小山市、島野勝行社長)は、栃木県の小山市を中心に注文住宅事業を展開している。

同社は、(一財)日本地域開発センターの「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2017」の大賞に続き、先に(一財)省エネルギーセンターの「2021年度 省エネ大賞」において、「高断熱住宅における省エネルギー性と健康と快適性の実現」で省エネ事例部門の中小企業庁長官賞を受賞した。高気密・高断熱の家づくりの長い取り組みが評価されたといえる。

同社は、栃木県がヒートショックによる冬季死亡増加率全国ワースト1位であることをきっかけに、20年ほど前から高気密・高断熱住宅に取組んできた。

2005年頃から外張り断熱(押出法ポリスチレンフォーム3種D50㎜(λ0.022以下))、日本で初のトリプルガラス樹脂サッシの採用という断熱材と窓を組み合わせた仕様を開発、標準仕様とした。

現在は、外断熱を105mm、内断熱を75mmに、窓はエクセルシャノン「UFシリーズ」(トリプルガラス・クリプトンガス入り)に仕様をアップ、UA値0.19~0.30程度、C値0.3以下を確保している。つまり、同社の住宅はほとんどHEAT20のG3をクリアする水準であるということだ。加えて、エアコン一台で全館冷暖房を実現し、省エネ設備やHEMSの導入、さらには太陽光発電の積極的な提案を続ける。

省エネ設備や省エネ大賞でも「健康と快適性を兼ね備えた家づくりを目指す。地方の工務店として年間販売棟数は18棟と少ないもののZEH化率は100%であり、今後のZEH普及拡大に関し、中小工務店などの参考となる活動として評価できる」と講評された。

売上高10億円で安定経営を目指す
知名度向上にさまざまな工夫

高気密・高断熱住宅のブランド力は強い。同社を訪れるユーザーのほとんどは高性能な家を求めているユーザーで、「昔のように断熱や省エネなどについての説明が不要になった」(島野社長)という。こうしたなかで力を入れているのが〝設計力〟のアピールだ。住まいに対する要望を好きなだけあげてもらった後に提出する1回目のプランを見てもらってから、その後の打ち合わせや契約まで進むかを判断してもらう。「要望に答えるのは当たり前で、それと性能のバランスをどうとるかが島野工務店の設計力」と話す。

同社が手掛ける住宅は坪70~90万円程度で、80万円がボリュームゾーンだ。ユーザーの多くは〝高性能な家づくり〟のブランドに魅力を感じる層で、宇都宮市のモデルハウスへの来場者の受注率は高いという。この春には小山市内にもう一カ所モデルハウスをオープンする予定だ。
現在、年間の売上高は6億~7億円程度だが、島野社長は10億円を目標に掲げる。「10億円を超えれば経営が安定し、無理をせずにお客様に対応でき、さらに良い家づくりを実現できる」からだ。

課題は、モデルハウスへの来場者を増やし、問い合わせを増やすこと。そのため現在、SNSやWEBなどの情報発信の強化や企業マークの見直しなどに取り組んでいる。「この半年間で島野工務店の知名度をさらに上げること」が狙いで、今回の省エネ大賞の受賞も大きなプラスになると見ている。

G3の企画型住宅を開発
若年層にも高性能住宅を

建設する住宅のほとんどがG3の水準という島野工務店の家

もう一つ、新たな取り組みが完全企画型住宅の開発だ。同社は注文住宅をメインに受注してきたが、20~30歳代をターゲットとする2000万円代の高性能住宅を発売する。プランを絞り込むが、性能などの仕様は注文住宅とまったく同じ高気密・高断熱住宅で、一棟目がこの春に完成する。

外断熱と内断熱のW断熱で高い断熱性を実現

小山市周辺で土地・建物込みで住宅を建設すると3000万円以下では難しいが、4000万円以上となると親からの援助がなければ難しい層も多い。こうした層は、どうしても建売住宅ということになる。「島野工務店の家は高いから、と言われることもある。そんな人にも高性能な家に住んでもらいたい」という狙いで企画住宅の開発に乗り出した。同時に、HEAT20のG3レベルという高性能な家でも、「こうすれば手頃な値段で建てることができるということを示したい」という思いもある。

この企画型住宅は、島野工務店のセカンドブランドと位置付けられる。島野社長は、この企画型住宅による収益増を売上10億円という目標には組み込んでいないと話すが、企画型住宅に興味を持って訪れたユーザーが注文住宅に切り替えるケースも期待できる。何よりも、高性能な住宅、健康・快適な暮らしをより身近に感じられる、ユーザーの層の幅を広げるといったインパクトは大きい。

島野工務店が取り組んできた高気密・高断熱住宅の取り組みは、新たなステージを迎えそうだ。

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