パナソニック 空質空調社、25年度に売上高1兆円を目指す
空質と空調の2事業融合で付加価値を高める
パナソニック 空質空調社は2025年度に売上高1兆円を目指す。パナソニックグループでこれまで別々の事業部門であった空質と空調の2事業を融合させることで、付加価値の強化を図る。
4月の持ち株新体制を前に空質と空調の事業が融合
パナソニックグループは4月1日から、持株会社制による新体制に移行する。これに伴い、昨年10月、空調事業を展開する空調冷熱ソリューションズ事業部と、換気・空気清浄機器などの空質事業を担うパナソニック エコシステムズが融合し、パナソニック 空質空調社が発足した。空調事業は1957年、門真クーラー生産工場の設立から始まり、60年超にわたってグローバルに展開・拡大。空質事業は1913年に国内初の量産「交流式扇風機」を製造し、空気・水の環境関連事業に100年以上、取り組んできた。
今回、4月からのパナソニックグループの持ち株会社制への移行を前に、パナソニック 空室空調社は中期の事業戦略を発表。2025年度に売上高1兆円を目指す方針を示した。
融合の第一弾
業務用空質空調連携システムを発売
この目標の実現に向け、今後、これまで別々だった空質と空調の2事業を融合した商品開発を行い、付加価値の強化を図る。その第一弾として、今回、「業務用空質空調連携システム」を開発、4月1日に発売する。
同システムは、空調機、熱交換気扇、空気清浄機「天井埋め込み型ジアイーノ」を一体的に提案し、空調・換気・空気質をトータルコーディネートするもの。
空調機は業界トップクラスのAPF(通年エネルギー消費効率)を実現するとともに、湿度を付加した「快適省エネ運転機能」も搭載。加湿量を細かく制御できる独自の「遠心破砕加湿技術」により、冬場の乾いた空気を加湿し、設定温度を下げても体感温度を暖かく感じるようにした。また、PM2.5や花粉の抑制効果を向上させた新「ナノイーX」デバイスを搭載。室内空気を循環させることで、静電HEPAフィルターにより粒径0.3 µmの粒子を99.97%以上、捕集できる。
熱交換気扇は、CO2濃度に応じて換気量を自動でコントロールできるようにした。CO2濃度が1000 ppm以上になるとブースト運転し換気量を高め、CO2濃度が低いときは低速の弱運転で省エネ化を図る。これにより、従来から最大52%のエネルギー削減を実現した。
天井埋込形ジアイーノは、空気中を浮遊する菌・ニオイを吸引し、「次亜塩素酸」で除菌・脱臭。キレイになった空気とともに、気体状の次亜塩素酸を放出することで、部屋の空気をさらに除菌・脱臭する。
コロナ禍で室内空気環境への関心が高まっている。パナソニック 空質空調社は、こうした社会的な需要を好機とみて、今回の「業務用空質空調連携システム」の発売を皮切りに、今後も空気質と空調のトータルコーディネートを推進し、付加価値を高めた提案を行っていく方針だ。
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