2022.2.25

point0、オフィスの協創プロジェクトで成果報告

2年で60件の実証実験、ウインドユニットなど3件をサービス化

point0は、オープンイノベーションにより理想のオフィスづくりを目指すプロジェクトで2年間の成果を報告。60件の実証実験を実施し、3件の商品化・サービス化を実現した。また、3年間延長も決定し、さらなる実証実験に取り組む。


point0(東京都千代田区・石原隆広代表取締役、以下ポイントゼロ)は、業界の垣根を超えオープンイノベーションで理想のオフィス空間づくり目指すプロジェクトを実施するため、2019年に設立された会社。住宅分野からも、ダイキン工業、TOTO、パナソニック、大建工業などの企業が出資している。

コワーキングスペース「point0 marunouchi」

会社設立と同時に共創型コンソーシアム「point0 committee」を立ち上げ、コワーキングスペース「point0 marunouchi」(東京都千代田区・敷地面積:1082㎡、総席数260席)において、理想のオフィス空間づくりに向けた実証実験を行っている。立ち上げ当初10社でスタートした取り組みは、2022年1月時点で20社まで拡大。効率、創造、健康をテーマに4つのワーキングで活動を行う。
今回、これまで2年間の実績の報告を行った。

京都市のサテライトオフィス「point0 satellite」

point0 marunouchi」で行った実証実験は60件で、このうち複数企業で行った実証実験は11件。実証実験を通じ実際に商品化、サービス化されたものは3件だった。

例えば、ダイキン工業とオカムラの協創で商品化されたのが「ウインドユニット」。ダイキン工業が開発した自然の風を再現する大型送風機「Wind Creator(ウインドクリエイター)」をオカムラが展開する家具シリーズ「Lives(ライブス)」のシェルフに組み込み、ユニットとして開発、2021年11月から発売している。

point0 marunouchi」のコワーキングスペースとしての稼働実績は、2021年12月末時点で会員数2262人、日次の平均利用人数は84.2人だった。コロナ禍前と比較して会員数は427人、日次利用者は平均20人増加し、稼働率が高まっている。

当初、同プロジェクトは2022年3月までの予定としていたが、2025年まで3年間延長することが決定した。「第2ステージと位置づけて取り組んでいく」と、石原隆広代表取締役は意気込む。

特に力を入れるのが、出口戦略だ。協創による実証実験を通じてソリューションが生まれても、実際に提供する商品やサービスに落とし込めないことが課題となっている。こうした課題の解決策の一つとして、ポイントゼロは自社で展開するサテライトオフィス「point 0 satellite」の拡大を行う。同サテライトオフィスは「point0 marunouchi」での実証実験を通じて創出されたソリューションを導入し付加価値を高めていることが特徴である。そのため、サテライトオフィスの拠点拡大を図ることで実証実験で創出されたソリューションの導入拡大も図ることができる。「point 0 satellite」は現在、東京都や大阪府などの都心・郊外で9店舗まで拡大しているが、2025年3月までに全国100店舗の展開を目指す。