パナソニック エコシステムズ、25年度に空気清浄機「ジアイーノ」の売上高500億円へ
非住宅向けの天井埋込型新商品を発売
パナソニック エコシステムズは、2025年度に空気清浄機ジアイーノの売上高500億円を目指す。これに向け、今回、非住宅向けの新商品を発売した。
パナソニック エコシステムズは、コロナ禍をきっかけに室内空気環境への関心が高まってきていることから、次亜塩素酸技術による高い除菌・脱臭力を持つ空気清浄機「ジアイーノ」事業を強化する。売上高を2020年度の124億円から2025年には500億円に高める。
この目標に向け、非住宅向けの新商品「天井埋込形ジアイーノ」を4月に発売する。
新商品の大きな特徴の一つが、加湿量を制御できる「遠心破砕方式」の加湿機能を追加したことだ。遠心破砕方式は、高速回転するドラムから遠心方向に吹出した水滴を壁面にぶつけて微細化する技術で、少ない水量で効率よく加湿できる。また、カルキの付着による目詰まりがなく、加湿ユニット部の手入れが必要ないという利点もある。
天井埋込型としたことも、新商品の大きな特徴だ。従来、ジアイーノは床置設置タイプで提案してきたが、医療機関や介護施設などの利用者から、設置した空間での効果しか得られないため、部屋ごとに設置する必要があり、コストが負担との声が寄せられた。
こうしたことから、新製品では天井埋込型を採用。天井裏に本体を設置し、専用ダクトで清潔な空気を室内へ供給する。ダクトを分岐させることで給気口と換気口をそれぞれ8か所まで設置でき、複数の部屋(最大125㎡)を1台で運転可能だ。さらに、専用リモコン1つで8台までの複数台運転も可能で、最大1000㎡(125㎡×8台)の空間を同時制御することもできる。
メンテナンスの手間軽減も図った。本体に水道配管を接続する仕組みとすることで給排水を自動化し、タンクへの給排水作業を不要とした。
新商品の価格は75万円で、販売目標は2年間で2000台。マンションやオフィスの共用部、医療施設、保育施設、介護施設などでニーズが高いと想定し、訴求に力を入れる。
次亜塩素酸の除菌・脱臭効果の検証を推進
IAQ検証センターを設立
2025年度の売上高500億円の達成に向け、次亜塩素酸の除菌・脱臭効果や安全性についてレベルの高い検証を行う施設「IAQ検証センター」(愛知県春日井市)を4月に開設する。センター内には、業界初の温湿度と気体状次亜塩素酸濃度を制御できる「Biosafety Level(バイオセーフティレベル)2試験室」や10~132㎡(6~80畳)まで広さを変えられる「実空間除菌試験室」、「空質空調検証室」など複数の設備を備える。これにより今までは実現できなかった実使用空間での効果や浮遊菌への効果など、より高度な検証を行えるようにする方針だ。
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