旭化成ホームズ、自立シニアの健康度と暮らし方の関連を調査
シニア住宅でのサービス強化も
旭化成ホームズは、自立して生活するシニアを対象に、健康度と暮らし方の相関関係を探る調査を実施した。健康度が低いほど外出や運動の習慣が減少し、転倒の経験や不安が増大するなどの結果が得られた。
旭化成ホームズはシニア向け賃貸住宅「ヘーベルVillage」の提供を行っている。これは、要支援・要介護前の“元気な”高齢者を対象としたものだ。介護やケアまでは必要ないが、高齢期に適した設備や広さ、立地、居住環境で安心して暮らしたいといったニーズに対応。2005年から提供を開始し、昨年7月までに1200戸超を供給している。
今回、旭化成ホームズのシニアライフ研究所は、(地独)東京都健康長寿医療センターの大渕修一研究部長と共同で、ヘーベルVillage居住者対象に、健康度と暮らし方に関する調査を実施した。
日本では超高齢化で要支援・要介護者が増加するなか、普段の生活を通じ、いかに要支援・要介護を予防する方策をとっていくかが重要となっている。ただ、要支援・要介護ではない元気な高齢者の生活実態に関する調査はあまりないことから、今回、ヘーベルVillageに入居する元気な高齢者を対象に、生活実態などに関する調査を実施した。
調査期間は2019~2021年、調査対象はヘーベルVillage13棟159名。入居者の健康度を、フレイル(虚弱)、プレフレイル(前虚弱)、ロバスト(頑健・健常)の3つに区分し、健康度と生活実態(運動・食事・交流)の関連性を調査した。
その結果、運動に関しては「毎日1回以上外出している」、「軽い運動・体操をしている」、「定期的な運動・スポーツをしている」の項目で、食事については「7品目以上の食品を摂取」、「食欲がある」といった項目で、交流では「友人と月1回以上交流がある」といった項目で、健康度が低くなるほど実施率が低いことが分かった。また、運動については、健康度が低いほど、「転倒不安あり」が増える結果が得られた。
生活相談サービスを強化
運動、食事、交流も相談項目に
旭化成ホームズは今回の調査の結果で、運動・食事・交流といった暮らしの要素が健康度と関連していることが分かったことから、ヘーベルVillageで運動・食事・交流を促す取り組みに力を入れていく考えだ。
ヘーベルVillageでは、社会福祉士などの相談員による月1回の定期訪問を実施している。これまでは疾病とADL(Activities of Daily Living:日常生活動作、起居動作・移乗・食事・更衣・排泄・入浴・整容動作など)が相談項目だったが、今後は、運動、食事、交流も相談項目に加える。相談員が入居者に運動、食事、交流の実施状況を聞き、不十分であれば促すための具体的なアドバイスを行う。既に複数のヘーベルVillageで先行して実施しており、今春を目途に本格導入する考えだ。また、「共用部で入居者同士の交流を緩やかに促す仕組みの提供も検討していきたい」(執行役員兼シニア・中高層事業推進本部長 田辺弘之氏)としている。
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