磯貝匡志 ミサワホーム社長「未来へつなぐ、笑顔をつなぐ」
人口減少、超高齢化、脱炭素など難課題に住宅から挑戦へ
コロナ禍の長期化など、出口の見えない不透明なマーケットのなか、住宅企業はどのような戦略で臨んでいくのか──。
ミサワホームの磯貝匡志社長に今年の舵取りを聞いた。
──足元の状況を教えてください。
磯貝 昨年は新型コロナウイルス感染症の影響が残っていたものの、住宅・不動産業界においては好調でした。コロナ禍による住まいに対するニーズの変化のほか、これまで旅行などで消費されていた資金がリフォームや建替え、住み替えなどに向けられるようになったことが影響していると思います。
こうした動きは当社の業績にも現れています。2021年度上期の連結営業利益は消費増税前の駆け込み需要のあった2013年度を除けば、この10年で過去最高となりました。
ステイホームの長期化による住まいへの関心の高まりは、在宅ワークの定着などで、郊外やより広い住宅を求める動きにも現れています。当社としてもこうした需要の変化に対応する商品開発に取り組みました。
新築戸建住宅では在宅ワークや感染症予防の提案に加えフリーリビングユニットを設けたスキップフロアデザインの「CENTURY蔵のある家FREELIVING」を開発、賃貸住宅では蔵に加え2つの在宅スペースを設けた「BelleLead SkipHigh2―worklabo」が大変好調です。
──2022年をどう見通されていますか。
磯貝 今の低金利がいつ反転するのか、いつ潮目が変わるのかが気になるところです。
日本の低金利は2012年の黒田日銀総裁の時に始まりましたが、政権が安定しているので低金利政策は維持されると見ています。また、岸田新政権は経済対策として総額約36兆円の補正予算を成立させました。その柱は建設、不動産、住宅であり、業界にとってはフォローの風になると期待しています。
最重点のカーボンニュートラルにも
木造・木質技術の進化で臨む
──今年とくに力をいれていく事業分野はどこでしょうか。
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