2021.12.8

コロナ感染予防対策が着実に広がり

玄関のクローゼットや在宅勤務スペースなど

新型コロナ感染予防対策への取り組み

(一財)住宅金融普及協会の「住宅の設備及び仕様等に関する事業者アンケート」で、コロナ禍で注目されている在宅ワークや非接触の工夫、換気対策など新たな暮らし方の提案が着実に広がっている様子が浮き彫りになった。

この調査は、同協会が発行する「住まいの管理手帳」を購入した住宅事業者206社を対象に、戸建住宅の設備及び仕様について聞いたもの(回答は55社)。対象となる住宅は、2020年度に供給した一戸建ての注文住宅または建売住宅である。

コロナウイルスの感染拡大により、住宅において新たなニーズが生まれ、その対策の提案が相次いでいるが、新型コロナ感染予防対策への取り組みで広がっているのは「玄関にクローゼット等の設置」と「在宅勤務スペースの設置」の2項目のようだ。
「玄関にクローゼット等の設置」は、7%がすべての住宅に設置しており、89%は一部の住宅に設置している。つまり96%とほとんどの住宅事業者が玄関にクローゼット等を設置することができる。

また、「在宅勤務スペースの設置」は、2%の事業者がすべての住宅に設置しており、84%の事業者が一部の住宅に設置していた。こちらは計86%の事業者が在宅勤務スペースを設置することができ、その対応が広がっている。

「宅配ボックスの設置」は7%の事業者がすべての住宅に設置し、75%の事業者が一部の住宅に設置する。また、「玄関に手洗い設備等の設置」は、71%が一部の住宅には設置しており、すべての住宅に設置している事業者はゼロとなった。

また、コロナ禍で換気についての関心が高まったが、高機能な換気設備の設置について聞いたところ、39%は熱交換型換気設備を、10%が空気清浄機付換気設備を設置した。ただ、「その他」が50%もおり、さまざまな機器が設置されていることがうかがえる。

一方、社会的な関心が高まる災害対策については、「制振装置」は16%がすべての住宅に、38%が一部の住宅に設置と半数強が設置できる体制にある。一方、「免震装置」は7%が一部の住宅に設置し、すべての住宅に設置している例はなく、それほど広がってはいないようだ。

また、震度5強以上の地震を感知して分電盤の主幹ブレーカーを強制遮断する「感震ブレーカーの設置」は、22%がすべての住宅に設置、20%が一部の住宅に設置している。

開口部の強風対策については、67%と7割弱が「シャッターまたは雨戸」を設置、18%が窓ガラスをあわせガラスとしている。その一方で、「特別な対策を行わない」事業者も31%いる。