TOSTEMブランドを再構築 情緒×機能で窓を高付加価値化
LIXILは、新たな窓事業戦略を策定した。LIXIL常務役員 HOUSING TECHNOLOGY JAPAN サッシ・ドア事業部長の田村光宏氏は、「社会環境・市場ニーズが変化する中、快適で安心な暮らしを提供する『窓』の重要性が高まってきている。情緒的価値と機能的価値を掛け合わせた付加価値の高い商品開発を加速していきたい」と話す。
LIXIL 常務役員
HOUSING TECHNOLOGY JAPAN
サッシ・ドア事業部長
田村 光宏 氏
──今年3月、新しい窓事業戦略を発表しました。
地球温暖化、そして自然災害の多発、最近では、新型コロナウイルスの感染症の拡大など、私たちを取り巻く環境は、大きく変化しています。LIXILは、持続可能な社会の実現に向けて、エンドユーザー様により健康で、より快適な暮らしをお届けしたいという想いを持ちながら、住宅の高性能化、そして資源の循環利用の促進に取り組んでいます。
国が掲げる2050年、脱炭素社会の実現に向けて、住宅の高性能化は、推進すべき極めて重要な取り組みの一つとして位置付けられています。特に、住まいの中で、最も熱の出入りの大きいのが窓や玄関ドアといった開口部であり、この開口部の断熱性能を向上させることが重要になります。
ただし、我々は、窓の高性能化だけを追求しているわけではありません。窓に求められる本質的な価値とは、アルミや樹脂、ハイブリッドといった窓のフレーム素材だけではなく、ガラスを含めた機能的な価値であり、デザイン、質感を含め、心の豊かさをもたらす情緒的な価値であり、また、台風など自然災害から住まいを守る強度などであり、こうした窓に求められる本質的な価値を追求していきます。
そこでLIXILでは、さまざまなニーズに応え、最適な窓をお届けするために2022年3月期にすべての窓シリーズを刷新します。また、2026年3月期までにすべての住宅の高性能窓比率100%を目指します。
さらに、今ある豊かな暮らしを次の世代にバトンを受け渡すために、資源の循環利用の観点からものづくりを考える必要があると思っています。アルミ窓については、過去から市中アルミ資源の再利用を推進していますが、プラスチックを原料にする樹脂窓においても再利用を考えなければいけません。2021年8月に発売した樹脂窓「EW」では、循環型社会の実現に向けて、このプラスチックのリサイクルに配慮した設計にしました。LIXILは、このような取り組みを通じて、この先何十年も、その先も、エンドユーザー様が豊かで快適に暮らせるように貢献していきます。
──窓の開発方針について教えてください。
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