発泡スチロール協会、EPS×木外装で木軸の防火30分認定
国産材活用を後押し、魅力あるデザイン提案も可能に
発泡スチロール協会はEPS断熱建材と木外装を用いる高断熱仕様の防火認定を取得した。国産材活用や多様なデザインの提案を可能にする。
発泡スチロール協会が、外装材に木板を活用し、付加断熱にEPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)断熱材を用いる「防火構造」について、国土交通大臣認定を取得した。これは北方建築総合研究所(北総研)からの技術移転を受けて実現したもの。北総研の研究成果である「北総研防火木外壁(PS仕様)の開発」を受けて、外装材に木板、グラスウールやロックウールの充填断熱、そして付加断熱にEPS断熱建材を用い、「防火構造30分認定」を取得したものである。
今、国はCO2吸収や災害防止、地域産業振興などの視点から国産材の活用に力を入れている。木板を外装材に使用することにより国産材の活用促進につながり、森林資源の循環、地域産業の振興に貢献することが期待される。一方、木外装は防火規制によりその使用が制限されている。大臣認定の取得により木外装の使用が可能になり、多様な魅力ある外装デザインの提案が可能となる。
加速する省エネ化のなか提案の幅が広がる
発泡スチロール協会は、2003年に窯業系外装材とEPSの外張り断熱の組み合わせで防火認定を取得しており、今回の取得によりその活用の幅が更に広がった。
同協会は、取得した大臣認定を会員に公開。現在、その使用許諾書を17社の会員に出し、その活用を促している。
「2050年カーボンニュートラル」を踏まえ、住宅の省エネ化の取り組みが急速に進みつつある。省エネ性能のボトムアップはもちろん、さらなる高断熱住宅の拡大が見込まれるなか付加断熱の広がりも期待できる。こうしたなか木造軸組構造の「防火構造30分認定」の活用が注目される。同協会では、今後、2×4工法での認定取得も検討中だ。
発泡スチロール断熱材については、「“燃える”という不安を持つ方もおり、認定をしっかり取った技術であることをアピール」(篠崎広輝・EPS建材推進部長)していきたい考え。あわせて、有効利用率90.8%と環境には配慮した製品であること、また、200年後にも熱伝導率が変わらない長期安定性を持つことなどもあわせ、EPS断熱建材の価値を提案していく。
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