2021.7.15

YKK AP、新スマートドアを発売

業界初の顔認証を採用、24年度に採用75%を目指す

電気錠一体型のスマートドアを一新、「新スマートドア」を発売する。顔認証キーを採用、スマートフォンでの解錠を可能とするなど利便性を高め、販売拡大を目指す。


「顔認証キー」は、他人受入率1/100万と高い認証精度を持つ

YKK APは、業界初となる「顔認証キー」を採用する「新スマートドア」を発売する。

同社は、2012年に前モデルとなる電気錠一体型のドア「スマートドア」を発売、後付けではなく、電気錠の機能をドアハンドルに一体化した「スマートコントロールキー」を標準搭載することで、コストダウン、デザイン性を高めた。その採用比率は発売当初の21%から年を追って高まり、2021年5月時点で68%と7割弱に達している。

今回発売する「新スマートドア」は、このモデルを大幅にアップデートしたものだ。まず挙げられるのが、「顔認証キー」を業界で初めて採用したこと。これまで「ピタットキー(ICタグキー)」と「ポケットキー(リモコンキー)」の二種であったが、新たに3種から選べるようになった。同社の調査によると、「玄関ドアの施解錠の機能として魅力に感じること」として65.7%がモノを使わない「生体認証」をあげ、なかでも最も高かったのが「顔認証」であり、こうしたニーズに応えた。

認証精度の高い3Dタイプを採用し、他人受入率(他人を本人と誤って受け入れる確率)は1/100万と、2Dタイプの1/1000と比べて非常に高い認証精度を持つ。赤外線LEDで夜間でも認証可能だ。最大20人まで登録可能で、マスクや大きな帽子をつけたままでは登録ができない。非接触のハンズフリー施解錠が可能になり、利便性を大きく高めた。さらに、今後、自動開閉スライディングドアと組み合わせてのバリアフリー対応や、在宅医療・介護における来訪者管理など、さまざまな拡大利用の可能性が考えられる。

もう一つ大きく変わった点は、3種のキー共通の機能として、スマートフォンを鍵として利用できるようになったこと。専用アプリでスマートフォンを登録、アプリを起動した状態であれば、スマートフォンを取り出さなくても解錠できる。

断熱玄関ドア「ヴェナート D30」、高断熱玄関ドア「イノベスト D70」「同D50」、断熱スライディングドア「コンコード D50」、「ドアリモ 玄関ドア D30」などに搭載予定で、「ヴェナート D30」を先行発売、順次他シリーズに展開していく。

参考価格は「ヴェナート D30(F03Nデザイン)」で「顔認証キー」が45万円、「ポケットキー」が37万円。2021年度の販売目標は133億円(新スマートドアすべて)と、2020年度の「スマートドア」の110億円の20%増を目指す。スマートコントロールキーの採用比率を21年度に70%、24年度に75%と、大半をスマート化したい考えだ。