2021.6.22

積水化学工業、買取再販事業を本格始動

今年度40億円の売り上げ目指す

積水化学工業 住宅カンパニーの買取再販事業が本格的に動き出した。
新たに立ち上げたブランド「Beハイム」を4月から全国で展開。今年度は40億円の売り上げを目指す。

これまでも同社は、グループの不動産部門で買取再販を手掛けてきた。だが、自社物件を買い取るため、他社より買い取り金額が高くなり、その上でリフォーム費用を加えた価格で再販売することから、採算性の不安を拭えず、クロスの張替えなど、必要最小限のリフォームにとどめていた。ストック事業統括部事業企画部企画グループ長兼リフォーム営業部企画・総務グループ長の筏井利孝氏は「2019年度ぐらいから、少しずつ買取再販を行い、大規模改装した物件の販売状況などを見ながら感触を掴みつつあることから事業に本腰を入れ始めた」と話す。

同社によると、ストックされたセキスイハイムの「売却」や建て替えなどの「滅失」は年間で3500件程度あるという。このうちセキスイハイムグループとして売却や建て替えに関わるのは約500件、残りは他社などに流れており、捕捉率の向上という点からも、買取再販は重要な役割が期待されている。「他社などに流れている部分を食い止めると同時に、仲介に出すケースでも買取再販を意識した提案をしている。現在、東名阪では売却の相談があれば、まずは買い取りができることをオーナーに伝えている」(筏井氏)ように、買取再販への積極的な姿勢を打ち出している。2021年度で130件の買取再販を目標に掲げている。

新たなブランドを打ち出した背景には、認知度の向上がある。これまで買取再販に関しては控え目だったことから、オーナーからの認知度は高くなかった。「Beハイムというブランドを打ち出しことで、買取再販での存在感を示した」と筏井氏は話す。

Beハイムは、既存住宅の査定や販売を担うセキスイハイム不動産と、アフターサービスとリフォーム部門を担うセキスイファミエス各社が連携し、展開。昔に建てられたハイムの間取りを、新築で最近取り入れられている間取りに変更するなど新たな付加価値を持たせ、アップグレードし、生まれ変わらせる。間取り以外にも、建物の築年数や状態に応じ、水回り、外観の改良などが対象となる。また、最新のセキスイハイムの特長でレジリエンス機能を付加。太陽光発電やオプションで蓄電池の設置も用意する。「既存住宅の価値を高め、新築に近い形で提供していく」(筏井氏)と強調する。


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