単独展示場を核にポラスならではの地域密着営業を貫徹していく

ポラテック 取締役 木造建築事業部 事業部長 橋本裕一 氏

ポラスグループの注文住宅戦略を聞く

橋本裕一 氏

ポラスグループは注文住宅事業、戸建分譲住宅事業、プレカット事業のほか、住宅に関する事業を総合的に行う。
注文住宅事業では、地域密着に特化したブランド力を武器として、新たな戦略を打ち出している。
陣頭指揮をとる橋本裕一・木造建築事業部長は、大手ハウスメーカーでトップセールスマンとして活躍した経歴をもつ。
その橋本氏は、ポラスグループの注文住宅事業をどのように変革しようとしているのか。


──コロナ禍以降の注文住宅事業の状況をお教えください。

コロナ禍によって第一回目の緊急事態宣言が発令された時、「厳しい状況を強いられるだろう」というのが大方の見方だったのではないでしょうか。

私はチャンスだと考えました。これまで長年にわたり住宅営業に携わってきた経験から、たとえ一時的に需要が落ち込んだとしても、必ず戻ってくるタイミングがあると思ったのです。消費税の導入と引上げ、バブル経済の崩壊、リーマンショックなどの荒波を経験してきたからこそ、そう考えることができたのかもしれません。

結果的には、現在、注文住宅だけでなく、分譲住宅事業も非常に好調に推移しています。在宅時間が増えるなかで、住まいをより良くしたいという方々が増えているのでしょう。

昨年のゴールデンウィーク明けあたりから展示場への来場者も増加傾向にあります。ただ、ウッドショックはさすがに予測できませんでした。

なんとかこの難局を克服して、教訓として次の世代に伝えていくべきでしょう。

創業から50年、ブレない方針を強みに

──大手ハウスメーカーに在籍していたということですが、ポラスグループの印象は。

大手ハウスメーカーの多くは、賃貸住宅や不動産事業、海外事業へと軸足を移していきました。会社の方針としては正しいかもしれませんが、それまでの成長を支えてきた戸建住宅事業を縮小していく姿を目の当たりにすると、やはり寂しさを感じます。社員も戸建住宅の売り方を叩きこまれ、住宅を売ることに喜びを感じていたのに、梯子を外されるわけです。

また、一度、事業を縮小してしまうと、そこから再度、上昇気流に乗せていくことは至難の業です。社員の士気も下がります。

対してポラスグループは、創業から50年以上、戸建住宅事業を中核に据え続けてきました。創業当初の方針を貫く姿勢がグループ全体の今の強みになっていると感じています。

──分譲住宅事業と比較すると注文住宅の成長が遅れているという印象もありますが。

分譲住宅がポラスグループの中心であることは間違いありません。ただし、色々な場所でポラスグループの分譲住宅を目にした方々が注文住宅でも当グループに興味を持ってきています。
私は2020年3月に木造建築事業部長に着任しましたが、社員一人一人の営業力も高いと感じています。

他社に負けない設計力も備えています。今の受注規模で50名もの設計スタッフがいる会社は珍しいでしょう。そのうち20名はフロント設計といって、お客様とコミュニケーションをとりながら設計を仕上げていくことができます。

今の若い世代は個性のある多様な住宅を求めています。だからこそ社内で全て対応できる設計力が大きな武器になるはずです。

さらに言えば、アフターサービスについても、住宅品質保証というグループ内の会社が専門的に担っています。ポラスグループの方針は、「何かあれば1時間で駆け付ける」というものです。地域密着で、なおかつ全てを自社で完結できるからこそ、こういった方針を貫くことができるのです。

分譲住宅だけでなく、注文住宅事業についても、ポラスグループは大きなポテンシャルを秘めています。ただ、そのポテンシャルを十分に生かしきれていなかったことも事実です。現在、そのポテンシャルを最大限に引き出すための取り組みを進めているところです。

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ハウジング・トリビューンVol.624(2021年14号)

特集:

巨大な潜在市場が動き出す

2015年のいわゆる「空家特措法」施行から6年が経過する。
国は大きく利活用と除却の二方面から、制度改正や補助事業などを通じて空き家対策を進めてきた。
発生の抑制や除去などに一定の効果が出ているが、利活用についてはなかなか火がつかなかった。
空き家問題には数多くの課題が横たわる。
今、こうしたその散在した課題を解決するサービスが続々投入されている。
さらに、コロナ禍は空き家市場にとってマーケット拡大のきっかけになる。
テレワークの普及により、多拠点居住や多拠点ワークを行う「場」として空き家に関心が高まっているからだ。
今年3月に閣議決定された住生活基本計画でも、空き家の活用を「新たな日常」に対応した新しい住まい方の実現の1つに挙げている。
また、6月18日に閣議決定された骨太の方針でも空き家について言及。
「先進的取組や活用・除却への推進等の支援」などをしながら、既存住宅(ストック)市場の活性化に結び付ける考え方を明確にした。
こうした空き家への関心の高まりを追い風に、いよいよ空き家マーケットの誕生の期待が高まる。
国が掲げる2030年に14兆円のストック市場の実現可能性が見えてきた。

目次

HTʼs eyes

土石流が人災であったとしても
大規模盛土造成地の点検スピードアップを

ストック市場のけん引役になるか
空き家ビジネス
巨大な潜在市場が動き出す

TOPIC&NEWS

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INTERVIEW

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