2021.6.11

ログビルド、日本初のVR施工管理システムを本格販売

監督や設計など全員がリモート施工管理可能

現場に行かずに現場管理ができるVR施工管理サービス「Log Walk」を本格販売する。リモート管理による生産性の向上だけでなく、さまざまなメリットを生む。


AIやVR Photoの開発、リモート施工管理ロボットなどを展開するlog build(ログビルド)(神奈川県藤沢市、中堀健一社長)が、6月中旬、VR空間で施工管理を行う「Log Walk(ログウォーク)」の本格展開を開始する。

同社が課題設定したのは現場監督の移動時間だ。現場監督は、進捗確認、図面の整合性チェックや品質管理、職人との打合せなどで現場に足を運ぶ。こうした課題に対し「Gonot=現場に行かない」ことを合言葉に、現場に行かなくても現場管理ができる日本で唯一のサービス「Log Walk」により、現場監督の生産性向上を提案する。

「Log Walk」は、360度カメラと専用アプリを連携して現場を撮影、独自システムによりVR空間をクラウド上に自動生成する。メンバーは遠隔地から施工の品質チェックや進捗確認ができる。品質チェックのため現場に付箋を貼るようにタグ付けができ、スマホで指示を出す。通知を受けた人が「Log Walk」に入って該当箇所を確認、同じスレッドで返信したり、他の人への指示を実施したりする。現場に行かなくても、現場の様子をチェックでき、必要な指示を出すことができる。また、図面変更をその場で行うことも可能だ。

現場にいかなくても確認、指示など現場管理が可能になる

このVR空間は、敷地調査から完成まで、すべての工事履歴、指摘事項などを記録としてストックできる。クラウド上で、いつ、誰が、どのような変更を行ったのか、いつでも確認することができるわけだ。

現場の課題を熟知する
ビルダーが立上げたプラットフォーム

同社では、「ステークホルダー全員が使用するプラットフォーム」と位置付けており、建設会社のそれぞれの担当だけでなく、協力会社、設計や検査で関わる企業、また、発注者まで含めてそれぞれのメリットを生む。全体の品質管理や安全パトロールなど、現場に行かなければできなかった管理も「Log Walk」なら事務所や自宅にいながら移動レスで実施することが可能。また、全工事物件の全工程のVR空間を会社資産としてストックしていくので、成功事例や失敗事例のPDCAを社員全員でまわすことができる。施工管理を組織全体で取り組み、本来の業務であるデスクワークの時間を最大化することにより、ダンドリミスを防ぎ利益率アップを実現することが可能だ。

同社によると、「Log Walk」を導入することで、現場にいく回数を半分以上削減でき、担当現場数も2倍にすることができるという。

同社は注文住宅を年間40〜50棟手掛けるビルダー「ecomo」の関連会社で、3年前にecomoのロボット事業部としてスタートし、昨年分社化した。今年に入り、「Log Walk」の試験的運用を続けてきたが、いよいよ本格的な運用、販売を開始する。

今、住宅・建設業界で現場管理のリモート化が一気に進もうとしている。現場の課題などを熟知するログビルドが展開する日本初のリモート現場管理・施工管理システムは大きな注目を集めそうだ。