暮らし創造研究会、7年間の研究成果の発信・活用に注力
温熱環境が健康に与える影響を広く周知
暮らし創造研究会は、温熱環境が健康に与える影響などについての調査研究が一区切りついたことから、今後は研究成果の発信・活用に注力する。チラシや動画などを使って広く周知を図りたい考えだ。
住宅事業者、不動産事業者、住宅設備メーカー、エネルギー関連の団体などで構成する「暮らし創造研究会」は、超高齢社会、高度省エネ社会への移行を見据え、暮らしにおける「健康・快適」「安全・安心」「省エネ・CO2削減」を推進するための適切な設備と暮らし方の研究を行っている。2017年度からは、「暖房の健康影響研究部会」(主査:慶応義塾大学 伊香賀俊治教授)と「ストック住宅の省エネ化推進手法研究部会」(主査:東京大学大学院 前真之准教授)を立ち上げ、健康・快適な暖房利用方法の追求と、省エネリフォームの推進をテーマに掲げ研究を行ってきたが、今回、4年間の研究成果をとりまとめた。
「暖房の健康影響研究部会」では、暖房をしっかりと使うことで、手足の冷えなどの自覚症状が改善される可能性があり、さらにエアコンよりも床暖房を使う方が、より自覚症状、高血圧などの症状が改善される可能性をエビデンスを伴いながら示した。
「ストック住宅の省エネ化推進手法研究部会」では、断熱リフォームはハードルが高いといった課題があるため、水まわり設備のリフォームなどに併せて簡易な断熱リフォームを提案することの有効性などを、事業者へのヒアリング結果などから示した。
チラシや動画などの情報提供ツールを作成
団体や事業者など通じて広く周知へ
今回、これまでの研究について一区切りがついたため、今後は、成果の発信・活用へ注力する。
この一環として、温熱環境が健康に与える影響についてまとめたチラシや動画などの情報提供ツールを作成する。そして、暮らし創造研究会の参加団体やその関係団体、リフォーム事業者などに対し、ホームページへの掲載などを依頼し、情報提供ツールの発信や活用を促して行きたい考えだ。
また、団体やリフォーム事業者で情報提供ツールをうまく活用している事例を収集し、他の団体やリフォーム事業者での水平展開につなげたい考えだ。
このほか、一般消費者向けの普及策の検討や、暮らし創造研究会のホームページのリニューアルなどにも取り組む。
なお、これらについては、慶應義塾大学の伊香賀教授、東京大学大学院の前准教授からの監修を受け、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、環境省といった関連省庁、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会との情報交換を行いながら進めていく方針だ。
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