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2021.3.29

目安光熱費の導入への期待

目安光熱費の活用で賃貸住宅の性能向上に期待がかかる(写真はイメージ)

国交省の「住宅の省エネ性能の光熱費表示検討委員会」が第3回の委員会を開催、最終のとりまとめ案を公表した。同委員会は、より高い省エネ性能の住宅が選択されるよう、省エネ性能を光熱費に換算し、「目安光熱費」として表示することを検討してきた。とりまとめ案では、新築分譲住宅と新築賃貸住宅を対象に、①目安光熱費、②燃料別の設計二次エネルギー消費量、③燃料別の燃料単価、④目安光熱費に関する注記——という4点を表示する。この内容は、建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針の告示として位置付けられる予定だ。

住宅の性能を伝える時、正確さと分かりやすさを両立することは難しい。数字やUAといった単位から、一般の生活者が省エネ性を捉えることは不可能といえる。

住宅性能表示制度では、こうしたことから等級での表示が行われている。省エネについては「温熱環境・エネルギー消費量に関すること」で、「断熱等性能等級」(等級4~1)と、「一次エネルギー消費量等級」(等級1、4、5)の2項目だ。

今回の取り組みは、さらに一歩進め、生活者にとって馴染みのある「光熱費」を用いて省エネ性能を示そうというものである。省エネ性能を比較するだけでなく、ある程度、その住宅における暮らしもイメージしやすいのではなかろうか。

対象は新築分譲住宅と新築賃貸住宅であるが、特に、賃貸住宅においてその効果を発揮することに期待したい。

戸建住宅に比べて省エネ化が遅れているのが集合住宅。特に賃貸住宅における性能向上はストック対策の大きな課題の一つだ。賃貸住宅はオーナーの投資の側面が大きく、なかなか性能向上が進みにくいという一面を持つ。しかし、賃貸入居者が選ぶ際、「光熱費」という分かりやすい表示があったらどうだろう。住まい選びの大きな指標の一つにならないだろうか。

委員会の議事録をみると、燃料単価の違い、地域ごとの違いなどについてさまざまな意見があり、性能を分かりやすく、正しく伝えることの難しさ、その苦労が垣間見れる。今後、その成果を省エネ性能の関心の高まりにつなげていくためには、その運用が重要になろう。制度導入はマンション・戸建住宅が令和4年4月、賃貸住宅が同10月に予定されており、どのように活用されるかが注目される。さらに、とりまとめでは既存住宅について「新築住宅の実施状況を踏まえつつ検討」としており、ストック市場の膨大な住宅への展開にも期待がかかる。

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ハウジング・トリビューンVol.640(2022年8・9号)

特集:

ハウジング・トリビューンは、住宅事業者の商品開発担当者などを対象に、今後の住宅商品開発の方向性を探るアンケート調査を実施した。

「省エネ」、「再生可能エネルギー活用」、「木材利用」、「リサイクル」、「蓄エネ」、「防災・減災」、「温熱環境」、「空気環境」、「在宅ワーク」、「非接触」、「IoT・IT」、「家事支援」、「高齢者対応」、「子育て支援」、「リフォーム対応」、「長寿命化」、「高意匠」、「省施工」、「DIY」、「その他」という19項目の中から、商品開発を進めていく上で注力したいテーマを3つ選択してもらった。

また、その中でも特に注力したいテーマと、なぜそのテーマを選択したのか理由を聞いた。
アンケート結果から、あるべき未来の住宅像が浮き彫りになった。

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