2021.3.16

YKK AP、工機部門融合で窓製造機械から自社開発

スマートファクトリー化で納期短縮も

第6次中期経営計画に基づき、AP事業では、モノづくり改革実現に向け、工機部門の融合により、窓の製造機械自体から自社開発し技術力を強化。また、プラットフォーム化・スマートファクトリー化による構造改革も進める。


2021年度経営方針説明会を開催し、YKKグループの2020年度の業績概要と2021年度の経営方針、第6次中期経営計画の事業方針(2021年度~2024年度)を公表した。2020年度はAP事業開始30年の節目であり、また昨年9月には海外会社の資本を再編、YKK AP子会社とし海外事業拡大に向けた体制を整えた。売上高は3995億円(前年比93.8%)、営業利益は200億円(前年比87.5%)の減収減益となる見込み。

国内では、新たな営業活動としてオンライン情報発信を強化しWEB展示会を開催。当初、訪問者数の目標は5万人だったが、結果的に30万人超が参加するほど盛況で「新しい営業提案の形が見えた」(堀秀充社長)。また、樹脂窓と複合窓を軸とした窓の高断熱化を推進し高断熱化率を67%まで高めた。さらに、防災需要の高まりにより窓シャッターリフォームが前年度比55%増と大幅に伸長。エクステリアでは家一棟のトータルコーディネイト、ビル事業では個別防火商品の拡充と供給力強化を進めた。

2021年3月、複合窓を集約統合し、「エピソードⅡ」シリーズを新たに設定。樹脂窓と両輪で高断熱窓化を進める

TICを新設し
競争力強化に直結する技術を深耕

2021年度から、第6次中期経営計画がスタートする。AP事業では、これまでのYKK精神・経営理念に加え、パーパス「Architectural Productsで社会を幸せにする会社。」を根幹に定め、第6次中期事業方針「商品による社会価値の提供とモノづくり改革の実現」のもと、国内外AP事業一体となった活動を推進する。商品による社会価値の提供では、安全・安心・省エネ・省施工・健康・防災・換気など、社会の要請に応える商品開発を強化する。モノづくり改革の実現では、AP事業競争力強化に直結する技術の深耕を目的に、テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)を新設し、工機部門の融合による技術力強化や、プラットフォーム化・スマートファクトリー化による構造改革を進める。「YKKはファスナーを製造する機械自体を開発することが強みになっているが、この強みを建材分野にも生かしていく。工機部門の融合により窓メーカーが、窓を製造する機械自体の開発も自社で行う世界で唯一の形態となる。また、プラットフォーム化、スマートファクトリー化を進めることで、特にビル事業で、2023年度までに、現在の21日の半分以下の納期も実現できる見通し。」(堀社長)。

2021年度の投資計画は、首都圏ビル新工場の新設、YKK AP30ビル建設など、過去最大となる合計298億円を予定。2021年度AP事業売上高は4231億円(前年比5.9%増)、営業利益214億円(同7.2%増)の増収増益を目指す。堀社長は「住宅事業では、断熱化・安全・安心の新商品を展開し、ビル事業では首都圏強化と改装強化に取り組む。海外事業では国/地域に合わせた事業拡大を目指す。また、これらの事業を通じて、2050のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みも計画的に進める」と説明した。

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ハウジング・トリビューンVol.624(2021年14号)

特集:

巨大な潜在市場が動き出す

2015年のいわゆる「空家特措法」施行から6年が経過する。
国は大きく利活用と除却の二方面から、制度改正や補助事業などを通じて空き家対策を進めてきた。
発生の抑制や除去などに一定の効果が出ているが、利活用についてはなかなか火がつかなかった。
空き家問題には数多くの課題が横たわる。
今、こうしたその散在した課題を解決するサービスが続々投入されている。
さらに、コロナ禍は空き家市場にとってマーケット拡大のきっかけになる。
テレワークの普及により、多拠点居住や多拠点ワークを行う「場」として空き家に関心が高まっているからだ。
今年3月に閣議決定された住生活基本計画でも、空き家の活用を「新たな日常」に対応した新しい住まい方の実現の1つに挙げている。
また、6月18日に閣議決定された骨太の方針でも空き家について言及。
「先進的取組や活用・除却への推進等の支援」などをしながら、既存住宅(ストック)市場の活性化に結び付ける考え方を明確にした。
こうした空き家への関心の高まりを追い風に、いよいよ空き家マーケットの誕生の期待が高まる。
国が掲げる2030年に14兆円のストック市場の実現可能性が見えてきた。

目次

HTʼs eyes

土石流が人災であったとしても
大規模盛土造成地の点検スピードアップを

ストック市場のけん引役になるか
空き家ビジネス
巨大な潜在市場が動き出す

TOPIC&NEWS

YKK AP、木製内窓の促進をサポート 木製窓展開の布石に
ミサワホーム、2030年に向けた実証住宅を建設
日本モバイル建築協会が発足、"移動式"の仮設住宅の普及に弾み

スマカチ通信2021 No.17「住宅業界のためのオウンドメディア講座」

INTERVIEW

長谷川萬治商店/長谷萬 代表取締役 執行役員社長 長谷川泰治 氏
木が求められる時代に材木屋を再定義
感動を与えられる商品・サービスを充実

CLOSE UP

三井ホーム 中大規模木造マンションブランドを創設
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脱炭素化でギアチェンジ
加速する住宅省エネ化 動き出す断熱材市場

中央住宅 敷地とエネルギーをシェア 脱炭素社会を目指す暮らし価値を創造

リンナイ 入浴に新たな価値を! さらに上質なお風呂時間を実現

連載

[国産材を活かす㉓]『ウッドショック』下の木材利用③
林材ライター 赤堀 楠雄 氏

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