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2021.2.18

ウッドステーション、大型パネル生産技術の地域移転を加速

パートナー会員2社が生産ライン導入へ

ウッドステーションは起業から3年目を迎え、大型パネルの情報処理ソフトなどの更新を行い、生産・販売の拡大を目指す。また、大型パネル生産パートナー会の正会員2社が生産ラインの導入を決定。地域へのパネル生産技術の移転を加速させる。

大型パネル生産事業の全体像。プレカット伏図から、パネル製造ソフト「WSPanel」で読み込むことで、生産データへと連動。パネル製作で使用できる精度の高いパネル図を生成する

工場で構造材、サッシ、断熱材、金物などを組み合わせた「大型パネル」を製造し、在来軸組工法住宅の高度工業化を進めるウッドステーションは2019年2月、全国をカバーする大型パネルの供給網の構築を目指し、製材工場、プレカット工場などで構成する「大型パネル生産パートナー会」を発足した。2021年1月時点で正会員54社、また建材メーカーなどの賛助会員35社が参加する。

2021年1月、オンラインで第3回の大型パネル生産パートナー会総会を開催。ウッドステーション社長の塩地博文社長(大型パネル生産パートナー会会長)は、2020年の活動実績、今後の活動方針を発表した。大型パネルによる上棟数は、2018年が50棟、2019年が160棟、2020年が330棟となった。販売会社比率は、大型パネルの総販売元の三菱商事建材が93%、そのうち18%は4社の販売代理店経由のもの。生産パートナー会の正会員経由は7%に留まった。

塩地社長は、「上棟数は毎年、2倍、3倍のペースで増加しており、コロナ禍の状況下でも関東圏エリアで受注を伸ばした。東京、千葉、埼玉、新潟などで受注は特に多い。大型パネル事業が成長しているのは、大工の賃金が1日当たり2.5万円以上である地域で、大工に上棟工事を依頼する方がコスト高になるエリアになっている」と述べた。また、2020年は全国展開する中古流通大手からの大型パネルの採用が確定したことも報告。「全国規模で受注増が見込まれ、生産拠点の確立が急務となっている」。

志田材木店とモックが
地域の大型パネル製造拠点に

2021年は、大型パネル製造拠点の拡大に向けても大きな前進の年になる。大型パネル生産パートナー会の正会員2社が、大型パネル生産ラインの導入を決定。地域の大型パネル製造拠点として稼働を始める。

現在、ウッドステーションに資本参加する、大手プレハブメーカーの木質パネルを製造するテクノエフアンドシーが全国5拠点の工場(北海道、群馬県、愛知県、岡山県、福岡県)を中心に、大型パネルの生産を担っているが、その5拠点から遠方のエリアでは、大型パネルの運送コストがかさむため、トータルでの競争力を失ってしまうという課題があった。コストを抑えて大型パネルを安定的に全国に供給していくためには、全国をカバーする大型パネルの生産拠点の拡大が不可欠であり、今回のパートナー会2社の生産ライン導入決定は、全国的な大型パネル生産ネットワークの構築に向け大きな一歩となる。

今回、大型パネルの生産ライン導入を決定したのは、新潟県長岡市を拠点に木材の加工、資材物流事業を展開する志田材木店(志田喜弘社長)と、山長グループの一員で、紀州・和歌山の天然木材を中心に首都圏エリアで住宅資材販売を行うモック(埼玉県八潮市、榎本哲也社長)。

志田材木店は、2021年5月に大型パネルの生産ラインを設置し、今年度中に稼働を開始する予定。新潟県で増加する大型パネルの需要に対応するとともに、将来的にCLTの生産ラインも組み合わせ、木造建築のパネル化を支援する体制整備を目指す。ウッドステーションは、大型パネル正会員向けに、生産設備を無償貸与するスキームを用意しているが、今回、志田材木店は自社投資で大型パネルの生産ラインを導入する。6月には生産パートナー会の正会員を対象に新ラインの見学会を実施する予定だ。同社の志田社長は、「以前、ヨーロッパを視察した時に、工場で木造のパネルをユニット化したものを現場に運び、クレーンで吊り上げ組み立てているホテルの建設現場を見た。こうした動きは職人不足が深刻化する日本でも起きてくる。プレカット事業化からステップアップして、大型パネルの生産を開始することで、品質向上、大工の減少にも対応できる」と話す。

モックは、現在、東京近郊で大型パネル生産ラインを導入する場所の選定作業を進めており、今年度中に生産ラインの設置し、来年度中の稼働を目指す。同社の榎本社長は「私がモックに入社した26年前はプレカットがまだ普及する前だったが、プレカットのコストメリットを地域工務店に説きながら販売拡大に取り組む中、4、5年で急速に普及していった。大型パネルはプレカットの延長線上にあるツールの一つと捉えている。好むと好まざるにかかわらず、プレカットが普及していったように大型パネルも普及していくと見ている」と話す。

情報処理ソフトなどを更新
生産面、販売面で拡大期に

ウッドステーションは2021年、大型パネルの積算システムや、情報処理ソフトなどの更新を進め、大型パネルの生産、販売拡大のスピードアップを目指す。

住宅の意匠図から自動で積算を行い、より正確な見積書を作成できるシステムの開発に成功。大型パネルの販売会社に提供を開始する。即時に正確な見積書を提示できるため、格段に営業提案がしやすくなる。
また、生産工程での業務効率化も進める。これまで大型パネルの生産工程では、設計図書から人力での情報入力を行っていたが、この作業を自動化する「WSpanel」という情報処理ソフトも完成させた。設計図の情報がダイレクトに生産につながるフローを実現し、情報処理、生産工程の改善、進化にも取り組んでいく。

さらに、大型パネルの販売体制も見直す。これまで販売総代理店の三菱商事建材、さらに販売代理店4社のみに販売権を限定し拡販を図ってきたが、これまでの実績を踏まえて販売ルートによる差はなかったため、2021年は販売代理店を大幅に急増させ、販売を強化する。

併せて、住宅メーカー各社の住宅仕様に合わせて大型パネルを製造するOEM供給にも力を入れていく方針だ。

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ハウジング・トリビューンVol.631(2021年22号)

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2030年住宅への設置率6割は可能か
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