2021.2.4

空き家の5割超に腐朽・破損あり

今後5年で約3割が「空き家にしておく」

今後の利用意向

空き家の半数以上に腐朽・破損があり、特に別荘や貸家・売却用以外の、何ら利用されず放置された「その他」の空き家は6割を超えることが、国土交通省が実施した「令和元年空き家所有者実態調査」で明らかになった。

この調査によると、空き家の約4割は、最寄りの鉄道駅から2000m以上離れているが、貸家用の空き家の約半数は、鉄道駅から1000m未満に立地していることが分かった。また、所有世帯の約7割は、空き家まで1時間以内の場所に居住。特に貸家用やその他の空き家を所有している世帯は、比較的近くに居住している割合が大きく、1時間以内は8割を超えている。

空き家の管理頻度は、「月に1回~数回」の割合が最も大きく約4割。二次的住宅・別荘用空き家の利用頻度についても「月に1回~数回」が最も大きく約4割となった。

今後5年程度の利用意向を聞いたところ、「空き家にしておく」が約3割、「賃貸・売却」や「セカンドハウスとして利用」がそれぞれ約2割。「住む(リフォームまたは建て替えて住む場合を含む)」は7%となった。

賃貸・売却する場合の課題は、「買い手・借り手の少なさ」(42.3%)が最も多く、以下、「住宅の痛み」(30.5%)、「設備や建具の古さ」(26.9%)などが続いた。空き家にしておく理由は、「物置として必要」(60.3%)、「解体費用をかけたくない」(46.9%)、「さら地にしても使い道がない」(36.7%)の順となっている。

最近5年間のリフォーム工事の状況は、「行っていない」が80.6%、「行った」が18.0%。腐朽・破損の状態別では、腐朽・破損がないものほど「行った」割合が総じて大きくなり、「腐朽・破損なし」で27.3%。取得方法別では、「中古の住宅を購入」の場合「行った」の割合が大きく、28.6%となっている。利用現況別では、「借り手を探している」や「別荘や

セカンドハウスなどとして利用」の場合「行った」の割合が大きく、それぞれ37.4%、33.4%となっている。

主な管理者別では、「不動産業者、建築会社、管理専門業者など」の場合「行った」割合が36.2%と大きくなった一方、「誰も管理していない」場合「行った」割合は4.0%にとどまった。また、今後のリフォーム工事の実施意向は、「考えていない」が79.1%、「考えている」が10.0%となっている。