2020.12.9

オープンハウス・アーキテクト、テレワークスペース提案を本格始動

すべての注文住宅で導入を提案

オープンハウス・アーキテクトは、在宅ワークニーズに対応するため、注文住宅でワークスペースの提案を本格始動する。今年度から、すべての注文住宅で、テレワークスペースの導入を提案していきたい考えだ。

「オープン」の参考プラン。ダイニングの一角にカウンターデスクを設置。振り向けば、リビング・ダイニング・キッチンの様子を簡単に確認できる

テレワークが一気に普及したが、急激な環境の変化に戸惑いの声が多いのも実情だ。多くの家庭では専用のワークスペースがなく、リビングやダイニングのテーブルなどで作業しているため、仕事の能率が下がるなどの課題があがってきている。

こうしたことから、オープンハウスグループで住宅設計・建築事業を展開するオープンハウス・アーキテクト(東京都立川市、日高靖仁社長)は、家庭でのテレワークニーズに対応するため、注文住宅でワークスペースの提案を本格始動する。

同社では、これまでも、ワークスペースの要望に個別に対応してきたが、テレワークがいよいよ本格的に浸透し、注文住宅購入者の多くが導入の意向を示すようになってきたことから、今回、ワークスペース導入の提案を本格化させる。既に約40%以上の顧客から要望があり、今後はさらに拡大するニーズを見越して全ての顧客に提案していく考えだ。

場所や家族への開き具合など多様なワークスタイルに対応

注文住宅でのワークスペースの本格提案にあたり、コロナ禍で住宅を購入した360人にアンケートを実施しニーズを探ったところ、一口にテレワークと言っても、家庭によって多様な形態があることが分かった。具体的には、テレワークを行っている場所はリビング・ダイニング、寝室、専用個室など様々であった。また、仕切りを設けずオープンな空間で家族の気配を感じながら仕事がしたいといった人がいる一方で、クローズドな空間で集中して仕事がしたい人もいた。

「セミオープン」の参考プラン。ビルトイン収納を仕切りに、リビングに隣接した半個室を実現

こうした実情を踏まえ、オープンハウス・アーキテクトはテレワークの多様な働き方に対応したワークスペースの提案を行っていく。具体的には、テレワークを行う場所をリビング・ダイニング、寝室、専用個室と分けたうえで、それぞれの場所ごとに「オープン」「セミオープン」「クローズド」のワークスペースのプラン提案を行う。

「オープン」は、広い部屋の一角に、間仕切りなどを設けずにワークスペースを設置するプランだ。小さい子どもの見守りや、家族とコミュニケーションをとりながら仕事をしたい需要に対応する。

「セミオープン」は、ビルトイン収納などを間仕切りとし、部屋の中に半個室を設置するプラン。家族の気配を感じながら、仕事にも集中したいといったニーズに対応する。

「クローズド」は壁で仕切られている完全個室プランで、とにかく集中したい人や、オンライン会議などの周りの音が気になる仕事をする人のニーズに対応する。

「クローズド」の参考プラン。リビングから入れる壁で仕切られている書斎。廊下に開く室内窓で開けたい時は開けて、集中したい時は閉めることができる

テレワークの悩みに対応する専用商材パッケージも開発

また、オープンハウス・アーキテクトでは、先述のアンケートでテレワークの悩みについてもヒアリングし、その結果をもとにテレワークに役立つ専用商材も用意。ワークスペースのプランと併せて提案していく。

テレワークの悩みの一つが、音の問題である。家族の話し声が気になって集中できないが、壁で完全に遮断してしまうと採光や換気が難しく、子どもの様子の確認もしづらい場合がある。こうしたニーズに対応し、ガラスを採用した間仕切りや室内窓を用意。音は遮断しながらも自然光や視線は抜けるため、子どもの様子を見ながら安心し、快適に仕事に集中できる。

また、ワークスペースでは、照明の悩みもある。備え付けの照明は、作業に適した照明ではないことが多いことから、仕事のオンオフに役立つ調光シーリングライトや、横長のカウンターデスクでも机全体を照らしてくれるライン照明を用意した。

さらに、都市部の狭小住宅では、テレワークスペースを設けたくても占有面積が狭く難しい場合も多い。こうした悩みに対しては、コンパクトな間口の書斎セットや収納スペースを活用したパントリーデスクなどの商材を取り揃える。

今後、オープンハウス・アーキテクトはこの他にも、テレワークの悩みを解決する商材の拡充を進めていきたい考えだ。例えば、テレワークしやすい机や椅子や、安定したリモート会議のためのインターネット環境も、他社との連携により提案していくことを視野に入れている。