パナソニック エイジフリー、高齢者施設向けユニットバスで新商品
100種類以上のレイアウトが可能に
パナソニック エイジフリーは高齢者施設向けユニットバスで新商品を発売する。レイアウトに制限があるといった従来の課題を解消し、訴求力の向上を図る。
高齢者施設では要介護度が高い入居者の受け入れ増加により、利用者が寝た姿勢や座った姿勢のまま入浴できる機械浴槽を置ける浴室の需要が増加している。さらに機械浴槽を設置する浴室には、在来工法のものとユニットバスがあるが、施工性の高さからユニットバスへの注目が高まっている。
一方で、これまでの高齢者施設向けユニットバスには、機械浴槽の設置場所やドアの位置などでレイアウトに制限があるといった課題があったが、パナソニック エイジフリー(以下パナソニック)は、今回、その課題を解消する「アクアハートF-eXシリーズ」を開発、10月1日に発売する。
機械浴槽を置く浴室は床面積が大きいため、ユニットバスを施工する際には複数の床パネルを継ぎ合わせて床面を構成する必要がある。しかし、床パネルの継ぎ目は耐荷重強度が他の場所よりも劣るため、荷重の掛かるユニットバスの脚部を載せることができない。こうしたことから、ユニットバスでは継ぎ目を避けて機械浴槽を設置しなければならないが、床パネルの数が多ければ多いほど継ぎ目の数が多くなり、機械浴槽の設置場所が置ける場所も限られる。
このため、今回の新商品では、従来よりも床パネルの数を少なくしても床面を構成できるようにした。一般的な広さの場合、従来は6枚の床パネルが必要だったが、今回は4枚で済むようにしたことで床パネルの継ぎ目を減らし、従来よりも機械浴槽の設置場所の自由度を高めた。
また、高齢者向けユニットバスの床は、排水口に向かって一定の傾斜がつく構造だが、傾斜が大きいほど排水口に向かって壁面と床面の間の段差も大きくなる。従来はこの傾斜が大きく、1mあたり2㎝の段差が生じるため、浴室に出入りするドアは段差が生じていない排水口から最も遠い位置にある壁面にしか設置できなかった。
今回の新商品では、排水口への傾斜を従来の半分にすることで、生じる段差を小さくし、浴室を構成する四方のどの壁面にもドアを設けられるようにした。加えて、設置位置も壁面の中央や両端などに柔軟に設定でき、一つの壁面に2か所設置することも可能だ。
これにより、浴室への入口と出口を分けた2箇所の脱衣所の設置や、2台の機械浴槽の設置など100種類以上の豊富なレイアウトを実現し、現場での介助の流れに合わせた最適なプランを選択できるようにした。
新商品の価格は435万5000円から。年間で約100台の販売を目標に高齢者施設の運営事業者などに提案を行っていきたい考えだ。
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