UR都市機構、ナオス・テック 厚さ0.2mmの床改修用シートを開発
施工音低減、廃材抑制に寄与
都市再生機構とナオス・テックは、厚さ0.2mmのシートを用いた「フローリング用床張りシート施工方法」を開発した。施工音の低減、工期短縮など、様々なメリットをもたらす新工法として普及拡大を目指す。
これまでにも既存のフローリングの床の上から上張りするリフォーム工法はあったが、木材を基材とした厚さ3mm程の薄いフローリング材を用いるリフォームが主流となっている。この場合、張り直すという工程は省略できても、「扉などの部材と干渉しあう」、「各居室の段差を揃えるために余計な工事を行う必要がある」といった手間が生じるケースもあった。
対して今回、開発したシートの厚さはわずか0.2mm。また、凸版印刷が開発したフローリング柄が印刷されたオレフィンシートを採用することで、優れた耐久性、耐水性を付与。デザイン性、仕上がりの質感にもこだわった。「材が薄くなったことで、他の部材と干渉しあうことがなくなり、隣接する居室などとの段差を気にすることなく、必要な箇所だけ効率的にリフォームできる」(UR都市機構)。
施工の基本工程は大きく、①「下地処理」、②「シート張り」、③「仕上げ」の3ステップに分かれる。
サンドペーパーを使用して床の凹凸や小さい傷を補修。深い傷などにはパテを充填し、ペーパーで平面にする。その後、各現場に合わせてカットしたシートを既存のフローリングの上に張り、シート接着後、既存の目地に沿ってカットし、目地入れを行い、施工完了となる。床だけでなく、玄関框や階段などにも施工できる。
既存のフローリングを撤去する工程がないため、廃材を出さずに工期の短縮、低コスト化にも寄与する。
音の出る機材を使用しないため、騒音も発生せず、リフォームにより適した工法となっている。シートが破損した場合も、そのシートのみ張り替え可能で、簡単にメンテナンスを行える。
UR都市機構は、管理する賃貸物件において改修の内容に応じて、選択肢の一つとして、同工法が適切な箇所には積極的に採用していく考え。
また、「ストック社会への転換によるリフォームの増加が見込まれる中、建設業界の職人不足にも対応した有益な工法として、広く技術提供を行い、普及拡大を図っていきたい」としている。
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