2020.6.9

住友林業、2時間耐火構造の木質柱梁部材を開発

中大規模木造建築への提案へ

住友林業は、2時間耐火構造のオリジナル木質柱梁部材を開発した。耐火被覆に一般流通品のCLTを使い価格を抑えて製造できるため、中大規模木造建築の拡大に寄与しそうだ。

独自開発した梁部材

森林資源の有効活用などから中大規模建築物の木造化が注目されている。ただ、既存の木質耐火部材は特注の耐火被覆材の使用や施工手間の多さなどによる単価高が普及への課題として指摘されている。

今回、同社がオリジナル開発した木質柱梁部材は、一般流通するCLTを耐火被覆に活用した。部材は、構造支持部分の木製柱や梁の周囲に不燃材を配置し、その外側にCLTを浮かして留め付ける構成だ。CLTを浮かして貼り、通気層を設けることで隙間がうまれ、下地の凹凸に対して影響を受けず、仕上げ面を綺麗に保つことができる。また、裏側に通気層があることで工事中に雨濡れなどがあっても水の排出を促すなど、湿気に対して乾き易く、耐久性が確保される設計になっている。

部材は工場と現場のどちらでも製作可能。このため、万が一火災があっても、現場でCLT部材を交換できるので改修も容易に。外側のCLTは製材や集成材、LVLなどにも置き換えることができ、部材の一部には照明やスプリンクラー配管などを納めることも可能だ。

このオリジナル開発した木質部材を使った梁が今年2月、耐火構造部材(2時間)の国土交通大臣認定を取得。3月には柱が耐火構造部材(2時間)の性能評価試験に合格している。

建築基準法では建物の高さ・規模に応じて柱・梁などの構造材に必要な耐火性能が決められている。例えば、5階建て以上の建物だと柱梁部材には2時間耐火構造、15階建て以上だと3時間耐火構造の性能が求められている。今回、同社はオリジナル部材を開発したことで、5階建て以上の中大規模木造建築物の提案に弾みがつきそう。「引き続き3時間耐火構造の柱・梁の大臣認定取得に向けて開発を進めていく」(同社)としている。

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特集:

木促法改正で市場拡大に期待

利用期を迎えた国内の森林資源の活用、また、SDGs、脱炭素化といった観点から、木造建築推進の機運が高まっている。
2021年6月には、公共建築物木造利用促進法(木促法)が改正され、脱炭素社会の実現に向けて、一般建築も含めて、木造化を推進していく方針が打ち出された。
市場拡大への期待が高まる中で、事業者の動き、木造建築を建てやすくする技術開発が加速する。
中大規模木造市場攻略のポイントはどこにあるのだろうか。

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