建材 |  2020.5.19

全国陶器瓦工業組合連合会、粘土瓦の安全性などHPで積極的にPR

新しい瓦の使い方で、学生対象に表彰

全国陶器瓦工業組合連合会(全陶連)は、粘土瓦製造業における中小事業者の改善発達、経営の安定、合理化を図ることを目的に1974年に設立認可された。現在、愛知県陶器瓦工業組合と石州瓦工業組合(島根県)、淡路瓦工業組合(兵庫県)、北陸粘土瓦工業会(石川県)の粘土瓦の主力産地である4団体が加盟する。

今回で5回目となる「学生アイディアコンペティション」と18回目の「屋根設計コンクール」の募集チラシ

粘土瓦の年間出荷量はピーク時だった1980年前後に約20億枚あったが、その後は減少傾向に。「現在3億枚を割り込んでいる」と小林秋穂 専務理事は話す。粘土瓦の減少は、新設住宅着工戸数の縮小が関係しているが、それ以上に大きな影響があるのが地震などによる粘土瓦へのマイナスイメージだ。小林専務は「昨年6月に起きた山形県沖地震でも、テレビのニュース映像から目に入ったのは、落下した瓦の家屋ばかり。調査結果から、被害のあった瓦屋根は40年以上前に供給していたものに集中しており、2001年に確立したガイドライン工法で施工した屋根での被害は確認できなかった」と強調。また、「昨年、千葉県などで多くの家屋被害をもたらした台風でも、ガイドライン工法で施工した屋根瓦への被害は免れた」(小林専務)ということを、ホームページなどを活用し、積極的に粘土瓦の安全性をPRしている。

消費者に粘土瓦を身近な存在としてPRする取り組みも行っている。「屋根は、風雨や日光、太陽熱から守る、町並みを構成するなど住宅部位として重要な役割を果たしているが、ふだん住まい手から見えにくいところにあり、一般消費者にとってなじみが薄い」(小林専務)。こうした実態を踏まえ、03年に日本記念日協会から8月8日が「屋根の日」として認定されたことを契機に、全陶連は、(社)全日本瓦工事業連盟と全国いぶし瓦組合連合会と共同で8月8日を中心に住宅関係者や消費者側に屋根の日記念日PR事業を行っている。ちなみに、この日が「屋根の日」になったのは、屋根の形が漢数字の「八」に似ているからという。

減少傾向にある粘土瓦の消費喚起を目指したPRをすると同時に、全陶連では、粘土瓦を将来にわたって残す取り組みも行っている。1981年から数年に1度、「粘土瓦」を使用した建築物や構造物の優れた実施例を「屋根設計コンクール」として表彰する「甍賞」を実施している。2011年からは「学生アイディアコンペティション」部門を新たに「甍賞」に追加。次世代の建築を担う学生を対象に、これまでの瓦にとらわれない新しい瓦の使い方に関するアイディアを募集し、優秀者を表彰するなど、新しい“風”も積極的に取り入れている。「甍賞」は今年行われ、現在応募者を募っている。

小林専務は「瓦が歴史上、初めて登場したのは約2800年前の中国といわれ、日本にはおよそ1420年前の西暦588年に百済から仏教とともに伝来し、飛鳥寺で使われたのが初めてとされている。その後、日本では粘土瓦は優れた特性と造形美により受け継がれ、屋根材料として広く普及し、長い間、日本の美しい風景をつくりだす重要な要素の一つとして、必要不可欠な存在として歴史を刻んできた」と強調する。

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