2020.4.10

LIXIL住宅研究所、北海道・パッシブホームとライセンス契約

地域再生・地域開発プロジェクトを協働で始動

LIXIL住宅研究所は、省エネ特許や北方型建築設計では先進的なノウハウを持つ、北海道のパッシブホームとライセンス契約を結んだ。協働で地域再生・地域開発プロジェクトに取り組む。

「江別蔦屋書店」の外観

今回、ライセンス契約を締結したパッシブホームは、床下に設置するヒートポンプエアコン1台で家中をむらなく暖める「パッシブ換気システム」などを手掛ける。上下階や部屋ごとの温度差などの北国特有の問題の解消につながる住宅を提案している。

パッシブホームは開発事業も展開。現在、北海道江別市牧場(まきば)町で、商業、オフィス(ヘルスケア&コンドミニアム含む)、住宅の3エリアからなる総合開発事業に取り組んでいる。既に北海道TSUTAYAと共同で運営している「江別蔦屋書店」を核テナントとした商業施設の開発に着手。この中の住宅エリアを、LIXIL住宅研究所とパッシブホームが協働で開発する。

「江別蔦屋書店」を核テナントに総合開発が行われている

協働での開発を受け、LIXIL住宅研究所は、パッシブホームのノウハウを活用するためにライセンス契約を締結した。これにより、LIXIL住宅研究所は全国展開を見据えた未来的な住宅や持続可能な住宅開発を、この「住宅エリア」で進めていく。

具体的には、江別蔦屋書店のエネルギーコストを70%削減したZEBの実績がある、パッシブホームの得意とする北海道基準をクリアする省エネやZEHなどの技術と、LIXIL住宅研究所の知見に加え、有識者・学識者も交えて開発する北方型仕様パッシブ設計住宅のモデルハウス2棟を「住宅エリア」に建設する。分譲用戸建住宅も建設する計画だ。

既にオープンしている「江別蔦屋書店」は、田園都市スローライフをコンセプトとし、「食」、「知」、「暮らし」の3棟からなるライフスタイル提案型の大型複合書店。この書店を軸に、総合開発が行われている。LIXIL住宅研究所はこの「住宅エリア」を、北海道内での同社の考え方や技術を発信する拠点として活用することも検討している。

LIXIL住宅研究所は、「今後は、今回のプロジェクトで取り組む街づくり(スマートシティ)も含め、住宅型有料老人ホーム、買取再販事業など、非住宅分野を含めたお客の住まいや暮らしについて、加盟店とともに各地域のニーズに合わせた事業展開を積極的に進めていく」としている。