2020.1.30

余剰電力売電サービスの申し込み1万3000件超に

3月から卒FIT電力をグループ工場へ供給

積水化学工業の電力売買サービス「スマートハイムでんき」の余剰電力買取への申し込み数が昨年末で1万3000件を超えた。3月からは買い取った電力を同社グループの工場へ供給する。


家庭用太陽光発電の固定価格買い取り制度(FIT)の期間が昨年11月から順次終了し始めた。いわゆる「卒FIT」問題で、同社は、セキスイハイム、セキスイファミエスの住まい手から、太陽光発電システム(PV)の余剰電力を買い取り、同社グループの事業活動への使用や他のセキスイハイムの住まい手に電力販売を行うサービス「スマートハイムでんき」を導入。昨年4月から、余剰電力買取サービスの仮申し込み受付を始め、12月末時点で申し込み数が1万3000件を突破した。同社は「まずまずの滑り出し」とみる。

「スマートハイムでんき」の流れ

同社は、近年多発している自然災害による停電にも備えることができる点からも、PVと蓄電池を搭載したエネルギー自給自足型住宅の開発・普及に取組んでいる。この取組みを買取価格の面からも推進。PVだけの搭載の場合だと9円/kWhだが、PVと蓄電池が搭載した住宅からは12円で買い取っている。

これまでに申し込みのあった1万3000件のうちPVと蓄電池を搭載しているのは約25%だった。同社は、2020年度に卒FITを迎える住宅の余剰電力買取サービスの申し込み受付を2月上旬から開始するが、買取価格は据え置かれる見通しだ。

3月から卒FIT電力を供給

同社は3月から、「スマートハイムでんき」で買取った電力をグループの生産工場へ供給する。

供給するのは、北海道セキスイハイム工業とセキスイハイム工業・中部事業所。これにより「再生可能エネルギーでセキスイハイムの生産が可能となる」(同社)としている。2021年度中をめどに全ての住宅生産工場とつくば市内の住宅カンパニーの研究開発部門への供給を開始する計画だ。

また、同社が開発を進める「あさかリードタウン」(埼玉県朝霞市)内に、2021年2月竣工予定の分譲マンション「HEIM SUITE Asaka」にも卒FIT電力の供給を予定する。

昨年4月以降、卒FIT対策として「スマートハイムでんき」を同社では推進してきた。「卒FITを知らない住まい手もおり、今後もPRを積極的に行っていく」(同社)と話す。