ブルム、中長期の商品戦略を発表
居住スペースの狭小化などに対応
ブルムは2020年代の中長期の商品戦略を発表した。居住スペースの狭小化や職人不足、スマート化などに対応した商品提案を行っていく。
オーストリアの金具システムメーカーのブルム(ゲハルト・ブルム社長)は、日本市場における2020年代の中長期の商品戦略を発表した。
商品戦略の一つは居住スペースの狭小化への対応だ。世界的に都市への人口集中が進んでいることを受け、ブルムは今年5月にドイツで開催された世界最大級の家具産業・木材加工見本市で、居住スペースの狭小化への対応をテーマに商品提案を行なった。日本でも都市への一極集中が加速しているため、限られた居住スペースでも空間を有効活用できる商品提案を行う。
こうした方針のもと開発し、今回、日本で販売を開発したのが「アベントスHK TOP」。システムキッチンと収納家具に取り付けるフラップ扉用金具システム「アベントス」シリーズの新商品だ。
新商品の大きな特徴はコンパクトなデザイン。電動の開閉サポートシステム「サーボドライブ」を導入しながら、大きさを従来よりひと回り小型化。居住スペースの狭小化で収納空間が小さくなっても空間を有効に使えるようにした。
また、今回、扉の開閉角度を自由に変えられる「無段階ストッパー機能」を搭載。好みの角度に扉を固定しておけるようにし、一層使いやすくした。
ブルムでは、省施工も今後の商品開発の方針の一つに据える。それを具現化する新商品が2023年頃に販売開始予定の新しいボックスシステム「メリボボックス」だ。商品の構成部材を通常よりも大幅に少なくするとともに、工具を使わなくても組み立てられるようにしたことで職人不足に対応。一般の人でもDIY で組み立てられるという。
このほか、具体的な商品の発売時期などは未定だが、スマートキッチンへの対応も今後の開発の柱に据える。「キッチンの未来はスマート化に進む。金具システムもそれに対応する必要がある」と、日本・トルコのマーケティング・セールスの責任者を務めるマルセル・シュライナー セールスマネージャーは話す。
具体的には、サーボドライブをIoT 化し、音声コントロールシステムに対応させる。例えば、「〇〇の引き出しを開けて」と指示すれば自動で開くようにする。
都市への人口集中、職人不足、スマート化といった社会情勢の変化に合わせ、新商品開発を進めるブルム——。マルセル・シュライナー セールスマネージャーは、「このほかにも、社会が変化すれば、商品開発に柔軟に取り入れていきたい」としているだけに、同社の取り組みから今後も目が離せない。
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