2019.10.8

日本木造住宅産業協会 平成28年省エネルギー基準適合住宅が8割超に 会員企業の切り替え順調に進む

2018年度分析報告書で明らかに

(一社)日本木造住宅産業協会(木住協)がまとめた2018年度の「木住協自主統計および着工統計の分析報告書」で、新設戸建の「平成28年省エネルギー基準適合住宅(平成25年度基準適合含む)」は80.5%と、調査開始以来、初めて80%を超えたことが分かった。


木住協加盟の戸建住宅の戸数8万3624戸のうち「平成28年省エネルギー基準適合住宅(平成25年度基準適合含む)」は6万7349戸で、前年度を4.8%上回った。2014年に比べおよそ4倍の戸数に拡大した。「会員企業が順調に平成28年省エネルギー適合住宅に切り替えを進めていることが伺えた」(木住協)。

地域別で「平成28年省エネルギー基準適合住宅(平成25年度基準適合含む)」を見ると、最もシェアが高いのは沖縄で87%。次いで、九州(83.2%)、中部(83.1%)、近畿(82.6%)、関東(81.4%)と続いた。最も低かったのが中国で66.4%。北海道が2番目に低く71.6%だった。

ZEH着工戸数は9648戸で木住協戸建住宅に占める割合は11.5%だった。

品確法に基づく建設性能評価住宅の着工戸数は過去最高の1万6485戸(前年度比13%増)。会員会社が着工した戸建住宅に占める比率は19.7%(同2.9ポイント増)となった。全国戸建住宅に占めるシェアも前年度より1.1ポイント拡大し、16.6%となった。

一方、設計評価住宅は減少した。全国戸建に占める木住協の設計評価住宅の割合は前年度より9.9ポイント減の16.5%だった。

住宅着工戸数は8万8647戸で前年度比を4%下回った。これは「住宅棟数の多い会員からのデータ提供が得られなかった」(木住協)ため。この会員企業を差し引いた前年の戸数と比べたところ、前年度を上回っていた。戸建住宅は8万3624戸(同13.5%減)、共同住宅は5023戸(同12.5%減)だった。

国産材振興で木造化率じわり広がる

国産材の振興が進む中、新築戸建ての木造化率がじわり進んでいることも調査から明らかになった。18年度は全国平均で87.3%。前年度より0.5ポイント上昇しており、平成26年度以降では最も高水準となった。地域別で最も高いのが北陸で93.8%。北海道は93.6%、東北90.1%と3つのエリアで90%を超えた。他にも関東で87.6%、中部で84.5%になるなど、近畿と四国を除いて、いずれの地域で前年を上回った。沖縄は35.2%と、この5年で2倍に増えていることも調査から判明した。

新設木造3階建て以上戸建て住宅着工戸数
地域別 木住協戸建住宅における平成28年省エネルギー基準適合住宅
(平成25年省エネルギー基準適合住宅を含む)のシェア
ZEH適合住宅の戸建て住宅に占める地域別シェア

太陽光搭載、ZEH適合減少目立つ

報告書はエリア別での住宅着工戸数の推移をまとめている。

着工戸数の最も多い関東での18年度の戸数は前年度より4.2%多い3万4064戸。新築木造3階建ての戸数はほぼ倍増の4616戸だった。設計評価住宅は6084戸と前年度を32%下回った。建設評価住宅は4973戸で2%増。ただ、木住協戸建住宅に占める割合は前年度より0.3ポイント縮小した。ZEH適合住宅は2084戸と前年度の4割水準だった。太陽光発電搭載住宅は6885戸で、前年度を16%下回った。

中部エリアは着工戸数を大きく減らした。18年度は前年度比7.8%減の1万5839戸。その中で、3階建ては大きく伸長。627戸と前年度の2.8倍となった。ZEH適合住宅は2643戸、太陽光発電搭載住宅は5274戸で、それぞれ前年度を43%、33%下回った。

近畿エリアの太陽光発電搭載住宅は2421戸で、前年度より31%少なかった。シェアは5.9ポイント縮小の30.0%に。ZEH適合住宅ではさらに縮小が目立ち、18年度は11%と前年度の半分以下となった。着工棟数は2年連続で1万戸を下回り、18年度は8074戸(前年度比17%減)だった。

軒並み太陽光発電搭載住宅の戸数が大幅に減る中、微減にとどまったのが九州だ。九州の太陽光発電搭載住宅は18年度で前年度比1.7%減の3046戸だった。ZEH適合住宅は1581戸と前年を12.7%下回った。