パナソニック ライフソリューションズ社、在宅時の宅配ボックス活用を促進
啓発シールも作成
パナソニック ライフソリューションズ社は、“在宅時”の宅配ボックスの活用を促進する。子育て世帯への実証実験ではストレスの軽減効果が高いことが実証され、潜在需要の掘り起こしを図る。
パナソニック ライフソリューションズ社は東京都世田谷区で実施した宅配ボックスの実証実験の結果を公表した。世田谷区の子育て世帯で週に2回以上宅配便を利用する50 世帯(うち9割が共働き)を対象に、戸建住宅用宅配ボックス「COMBO(コンボ)ミドルタイプ」を配布した。
実証実験の結果わかったことの一つは、在宅時でも利用のニーズがあるということだ。一般的に、宅配ボックスは不在時に直接荷物を受け取れない代わりに利用すると考えられている。だが、モニターに行った事前調査では、在宅時でも荷物を受け取れないことがあると回答した人は約7割に及んだ。
このため、今回の調査では在宅時でも宅配ボックスを利用することで、どれだけストレスが軽減されるかを調査。結果、宅配ボックスの利用により、72%の人が宅配受取時のストレスが軽減されたと回答した。その理由は、例えば、「ベッドルームにいるときや風呂上がりで出られない時でも荷物を受け取れる」、「料理中に手を止めなくてよくなった」、「防犯上、子どもが留守番をしている時は荷物を受け取らないように言ってあるが、留守番中でも荷物を受け取れる」など。
今回の実証実験結果を踏まえ、パナソニック ライフソリューションズ社は在宅時の宅配ボックス利用を促す啓発活動に力を入れる。2019 年7月1日生産分から戸建て向け宅配ボックス全商品及び「COMBO-Maison(コンボ メゾン)コンパクト(一鍵タイプ)」に、『不在・在宅を問わず宅配ボックスをご利用ください』と記載されたシールを同梱。また、すでに宅配ボックスを設置している人に向けても無償配布する。
今後、この取り組みに賛同する企業とも連携し啓発シールの普及を図っていきたい考え。
一方で、宅配ボックスの普及に向けた課題も今回の調査では浮き彫りになった。宅配ボックスがあっても再配達になったケースがあり、その理由として「荷物が大きくて入らなかった」(27.8%)「生物・クール便」(25.2%)「宅配ボックスがいっぱいだった」(20.5%)といった回答が多かった。
このうち、「荷物が大きくて入らなかった」「宅配ボックスがいっぱいだった」については、Yperの袋状の簡易宅配ボックス「OKIPPA」をパナソニックの宅配ボックスとつなげられる仕様にし、大きな荷物の配達時は「OKIPPA」に入れてもらうように提案するなどし対応を図る。しかし、「生物・クール便」への対応は今後の課題としている。子育て世帯ではネットスーパーの利用も増えているだけに、この点への対策が急がれそうだ。
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