野村不動産、一棟リノベマンション事業に参入
初弾はヴィンテージマンション
野村不動産は一棟リノベーションマンション事業に参入した。初弾は東京・代々木上原に立地する超高級ヴィンテージマンション。新築以上の価値を創出する。
野村不動産は一棟リノベーションマンション事業に参入した。「プラウド上原フォレスト」(東京都渋谷区・15 戸)を第一弾に、同事業に取り組んでいく考えだ。
一棟リノベーションマンション事業は、共有部のリノベーションも必要なことなどから手間とコストが掛かり、一般的なマンションでは高い採算性を上げることは難しい。このため、都心の高級ヴィンテージマンションを中心に、一棟リノベーション事業に取り組む。供給目標などは掲げておらず、多くても年に数棟のレベルを想定している。
「プラウド上原フォレスト」は、1984 年に竹中工務店が建築した外国人向け高級マンション「エリーゼアパートメント」をリノベーションしたもの。当初、エリーゼアパートメントを壊して新築分譲マンションを建てる計画であったが、担当者の判断により建て替えではなく一棟リノベーションを選択した。専有部は全戸角住戸、平均専有面積330平方メートル、階高3.2m と贅沢な作り。さらに、新築では得難い外観デザインや趣き、格調を持っており、壊して建て替えるのはもったいないと考えたからだ。
このため、「もともとある資産を生かすことで、新築以上の価値を出す」というコンセプトで、リノベーションを行った。例えば、既存の外壁タイルを残しながら再生。そのために、竹中工務店のタイル再生技術モルトールを、デベロッパーで初採用した。色合いや風合いを変えずにタイルを再利用する同技術は、国の重要文化財の修復にも採用されている。既存の資産は建物だけではない。35 年が経過した渋谷区指定の保存樹7本を含む既存樹木を遺し、森のような景観を護った。
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高級層の一棟リノベますます盛り上がるか
大手デベロッパーでは、三菱地所、三井不動産、東急不動産、大京などが一棟リノベーション事業に着手している。東京都心の地価高騰により、新築分譲マンションの供給が一層困難になってきている。一方で、消費者はマンションに関しては立地や品質がよければ新築にこだわらず中古でも積極的に購入する人が増えている。こうしたなかで、高級イメージを強みとする新築分譲マンンションブランド「プラウド」を持つ野村不動産の参入で、今後一層、高級層の一棟リノベーションマンションが盛り上がりを見せていきそうだ。
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