2019.7.3

ポラテック 名古屋に新工場を稼働

消費地に近く配送を優先した生産拠点

名古屋港の近くに新工場を稼働した。配送の効率化を優先に考えた立地、設備などで、プレカット工場の新しい姿を示した。


ポラスグループでプレカット事業を展開するポラテックの子会社で、愛知県以西で事業を展開するポラテック西日本が、新工場「名古屋工場」(愛知県海部郡飛島村)を稼働した。

これまでの工場とは異なり、配送効率が良い消費地に近い臨海部に立地し、物流拠点の役割を担っていることが大きな特徴。また、生産も構造材ではなく、羽柄材と合板加工のみを行う。

名古屋工場は2986.2坪の延べ床面積を持つが、その4分の3がデリバリーセンターの役割にあてられる。名古屋港から材を入れ加工した製品を現場へ運ぶが、滋賀工場で加工した製品を運ぶトラックが名古屋工場に寄って製品を積んで現場に運ぶことなどで物流コストの低減を図る。

保管場は約100 棟分の製品を保管できるラック53 機を設置する。ラックは通常約6m 間隔で設置されるが、横・斜めに走行可能なフォークリフトを導入することで3.5m 間隔とし、約1.5 倍の保管を可能とした。積込み場と保管場の連携により、平均100 分程度かかっていたトラックの滞在時間を30 分以内にすることが目標だ。

運送業において人材不足が深刻化するなか「邸別・定時配送が重要で、配送を重視した工場の形を考える必要がある」(ポラテック・北大路康信専務)と、工場の立地や機能を見直した。

羽柄材などの生産を強化
需要の高まりに応える

名古屋工場の生産能力は、羽柄材が5000 坪/月、合板加工が3000坪/月。これまで、ポラテック西日本では、滋賀工場で羽柄材を2万坪/月、合板加工を1万5000 坪/月、佐賀工場で同3000坪/月、2000 坪/月を生産してきた。新工場の稼働で羽柄材、合板加工の能力が大きく高まることになる。

これは需要の高まりに応えたもの。大工職人の不足などを背景に、横架材だけでなく羽柄材などの加工に対する需要が急速に高まっている。羽柄材の加工はプレカットで対応し、現場では組み立てと造作などに専念するという形に変わってきているためだ。また、床、壁に合板を使うケースが増え、その需要も伸びている。

ポラテックはこれまで地価の安い場所に1万5000 ~2万坪という規模の大きな工場を展開してきたが、今後は「敷地4000~5000坪、最低1万5000坪/月の生産能力、デリバリーセンターの機能を持ち、消費地へと運ぶ、それが今後のプレカット工場の姿」(北大路専務)と計画を描く。今後は消費地に近い兵庫県、埼玉県、神奈川県などでの工場建設を検討している。

デリバリー機能を重視した名古屋工場。保管場は機動力のあるフォークリフトの導入などで保管能力を約1.5倍に