大京、東京23区での土地活用提案を本格化
ミニ分譲、賃貸開発など推進
大京は、東京23区での土地活用提案を本格化させた。これまでは郊外での分譲マンションの開発が主だったが、今後は都心でのミニ分譲、賃貸、ホテル、オフィス開発事業の拡大も図る。
大京は東京23 区での個人の土地オーナーへの土地活用提案を本格化、中小規模の土地の仕入れを強化する。都心でのミニ分譲、賃貸、ホテル、オフィス開発事業を拡大させる方針だ。
これまで、大京は郊外のファミリー層を対象とした比較的大規模な分譲マンションの開発をメインに行ってきたが、近年、職住近接志向の高まりなどで都心の居住ニーズはますます高まっている。このため、都心23 区での開発事業を本格化する方針を決定。昨年6月、23 区の賃貸マンション、ホテル、オフィス開発を行う「ソリューション事業部」を、同年10 月には23 区の分譲マンション開発を行う「都心事業部」を新設した。23 区は土地取得競争の激化で大きなまとまった土地を取得することは難しい。このため、主に個人の土地オーナーを対象に、中小規模の土地の活用提案を推進する。
新たな土地活用提案は好評だ。数十戸単位のコンパクト分譲マンション「ミレス」シリーズの販売は、2017 年が千代田区、新宿区で合計2棟・95 戸であったが、2018 年は台東区、墨田区で4棟・224 戸に倍増。また、10 階建て程度のコンパクトなRC 造賃貸マンション「ライオンズ フォーシア」の竣工予定物件は、23 区内で2021 年までに8棟にも達する。今後は、ホテル、オフィスの開発にも力を入れていく方針だ。
スマートロック活用の家事代行やAI管理など付加価値に
大京は、都心のコンパクト分譲マンションや賃貸マンションの競争力を高める取り組みの一つとして、最新のテクノロジーを導入していく。5月下旬から販売を開始した分譲マンション「ライオンズ蒲田レジデンス」(大田区・地上7階建て、総戸数33 戸)には、スマートロックを導入。スマートフォンで遠隔から解錠・施錠できる機能で、不在時でも家事代行サービスを利用できるようにするなど生活利便性を高める。
居室内には、IoT に対応した給湯器を標準装備。共有部には、電子掲示板を通じてAI コンシェルジュが、居住者の様々な質問に答えるシステム「AIINFO」を大京のマンションで初めて導入した。
地価の高止まりで、大手不動産デベロッパーは、東京23 区の分譲マンション、賃貸マンションの供給戸数を減らしているが、都心居住のニーズは高まっている。それだけに、今後は大京のように、大規模マンション開発ほどの収益性は見込めなくても、個人の土地オーナーに向けたコンパクトマンションなどの土地活用提案が、他の大手不動産デベロッパーでも活発化する可能性がある。
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