2019.4.16

「令和」元年 10連休住宅販売には商機!?

購買意欲の刺激に期待の声も

 

新たな元号「令和」が5月1日から始まる。
「平成最後の●●」そして新時代の幕開けと銘打ったイベントが各地で行われ、祝福ムードをさらに盛り上げるだろう。
その柱となるのは4月27日から始まる10連休。
景気が後退局面に入ったとの見方もある中、今年のゴールデンウィークは商機なのか。
住宅を販売する各社の反応が気になるところだ。

「平成」に変わった最初の年である1989年の新設住宅着工戸数はマイナス成長だった。昭和天皇の長い闘病もあり、自粛ムードが世間を包んだことも影響したのだろうか。

今回の改元は「生前退位」ということから祝福ムードで覆われている。もっとも住宅購入を大きく左右する景気が後退局面にあるとの見方もあることから、この10連休を味方につけたいものだ。

「この10連休を商機ととらえている」。こう話すのは住友林業だ。同社では、毎年ゴールデンウィーク期間に全国的なイベントを展開する。今年もイベントを計画。同社は「これまでは何日か平日があったなかでの大型連休だったが、今回は全てが休みとなるため、連日住宅展示場へ客足増が期待できる」と鼻息が荒い。三井ホームは、連休中の住宅展示場で呼び込みを増やすなどの対応をとる考えだ。「実際には蓋を開けなければ分からない」(同社)としながらも、連休は客が集まることから商機とみている。

一方で、10連休という長い休みから、レジャーの1つとして住宅展示場に訪れる客が増えることを、むしろ心配する住宅メーカーもある。旭化成ホームズは「子どもを遊ばせるなど行楽地の1つとして展示場に訪れる客が多くなれば、契約率にも響いてくる」と話す。大和ハウス工業も「住宅展示場の来場者は増えるが、売り上げには結びつかない可能性も」とみる。

こうした連休でのレジャーの1つの場所として住宅展示場をとらえる見方がある一方で、そもそも出ずっぱりで、住宅に目がいかないとの見方もある。大京は、この10連休を売り時と見ていない。分譲マンションのモデルルームも通常通り、火・水曜日に当たる4月30日、5月1日を休業とする。「休みが長くなればなるほど、出掛ける人が増える」と想定する。

カレンダー通りなら、有給休暇などをとらなくても長期間休めるのが今年のゴールデンウィークの特長。ぐるなびのアンケートによると、半数以上が10日間の休みを予定している。「住宅展示場への来客数が増えるか減るか分からず、正直戸惑っている」(積水化学工業 住宅カンパニー)と本音を漏らす住宅メーカーもある。

大型連休に来場者が増えるか注目される住宅展示場