住宅メーカーでESGへの取組みが広がる

不動産投資見据え国も指針作りへ

  


住宅メーカーで、ESG(環境・社会・企業統治)への取り組みを意識した動きが広がっている。
決算発表の場で自社での取り組みを紹介したり、環境対策など非財務情報を報告書にまとめたりするケースも増える。
また、組織改正でESG 部署を立ち上げ、社内上の位置づけを明確にする企業もある。

3月に行われた積水ハウスの2019年1月期の決算発表。およそ40分の時間で、その2割近くを割いて仲井嘉浩社長が説明したのはESG関連だった。決算発表で、売り上げに直結しない項目に、これだけの時間を割くのは珍しい。

売り上げ2兆円を超す企業が、住宅販売など主力項目と並び説明に力を入れている背景には、近年盛り上がりを見せている「ESG」投資がある。

ESG 関連を決算発表で丁寧に説明する積水ハウスの仲井社長

企業の環境への取り組みや企業統治などを重視する手法は「ESG」投資と呼ばれ、ここ数年、世界的に注目されている。運用規模は2016年時点で約23兆ドル(約2500兆円)に上り、今後も伸長が見込まれ、全産業にとって無視できない。中長期の持続的な成長を目指す企業にとって、経営指標の1つとして不可欠な存在となっている。こうした中で、住宅メーカーでもESGを意識した動きが広がりつつあるのだ。

自社の環境対策や企業統治の状況などの取り組みを報告書としてまとめるケースも。大和ハウス工業では、ステークホルダーとの良好な関係構築に向け、ESGに関する網羅的な情報を掲載した報告書「サステナビリティレポート」を発行。同社グループの成長性やSDGsへの取り組みを説明している。

ESGへの取り組みを明確にするため、組織改正をする動きも出始めた。積水化学工業では4月1日に、これまで経営戦略部にあったCSR経営推進室を独立させ、新たに「ESG経営推進部」を設けた。「CSRから一歩前進させ、拡充した」(同社)。住友林業では1日、今後ESGに関する投資拡大の充実が要求されるなどを踏まえ、「CSR推進室」を「サステナビリティ推進室」に名称を変更した。

不動産投資もESGの考え方反映へ

不動産投資にもESGの考え方を取り込む動きが出てきた。株式や債券への投資では広まっているESGだが、不動産分野では進んでいないのが現状だ。このため、国土交通省では、不動産投資の専門家や業界団体でつくるあり方検討会を設置。不動産市場の安定的な成長につながるよう、指針作りに乗り出している。6月ごろ中間とりまとめを公表する見通しだ。

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