アイカ工業、高級人造石の増産で新工場稼働

大理石の代替で需要旺盛


アイカ工業は、高級人造石の増産に乗り出した。これまで協力会社で加工した人造石を販売していたが、高級マンションのキッチン天板などを中心に今後も需要が旺盛と判断。茨城県古河市に約10億円を投じ、自前の加工施設を整備した。小野勇治社長は「現在45億円の売り上げを2年後70億円に引き上げる」と期待をかける。

インテリア業界では、天然水晶に樹脂などをつなぎにして成形した「クオーツストーン」と呼ばれる人造石の需要が拡大している。背景には世界的に良質な大理石の入手困難がある。

同社は、オリジナルブランド「フィオレストーン」を2011年から販売。天然石の風合いを保ちながら、石の欠点であるもろさや吸収性を克服し、メンテナンス性にも優れている。こうした特徴を武器に、高級マンションのキッチン天板以外にも、オフィスや商業施設、ホテルの受付カウンターに採用されるなど用途が広がっている。これまで加工を手掛けていた岐阜県と福井県にある協力工場は、フル稼働の状態が続いているという。

こうした状況の中、今後も首都圏を中心にタワーマンションやホテルなど大型物件の受注計画が続き、事業拡大が見込めることから、新工場の建設に踏み切った。これによりカウンター加工品の生産能力は1.8倍に拡大し、年間で4万本増える。さらに従来4~6週間かかっていた納期が3週間程度に短縮できる。また、消費地に近い首都圏での工場となるため、物流費などコスト削減の期待もできるという。新工場の延床面積は事務棟を合わせ3436㎡。海外から輸入するフィオレストーン原板をカットし、穴あけから磨き工程などを経て、カウンターとして出荷するまでを担う。メーンターゲットとなるキッチンメーカーからの大量発注に安定して対応できるよう、原板倉庫も確保した。3月7日から稼働した。

記者会見する小野社長
新工場では原板カットから出荷まで行われる

品ぞろえ充実し国内カウンター市場けん引へ

フィオレストーンなどを含めた同社の建装・建材セグメントの売上高は現在748億円。これを10年間で1300億円に成長させる目標を掲げている。

同社には国内トップシェアを誇るメラミン化粧板があるが、素材ビジネスに加え、カウンターやドアなどの加工ビジネスの拡大が目標達成には必須と考えている。

新工場ではフィオレストーンの他に、4月から、磁器質大板セラミックタイル「ラミナム」の取り扱いを開始。イタリアから輸入した原板をカウンターなどに加工して出荷を行う。また、人工大理石のカウンター加工にも対応する。

こうした石材系や陶板系、人大系など様々な天板を一カ所で大量供給できる工場は国内では限られている。小野社長は「建装・建材部門の中で、基幹工場としてけん引役になりうる」と新工場の役割を示している。

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