2019.2.19

三井不動産レジデンシャル 戸建住宅で新提案 洗面室を美容空間に

東京ガス都市生活研究所とコラボ

三井不動産レジデンシャルは、全7棟からなる戸建分譲住宅プロジェクト「ファインコート茗荷谷」(東京都文京区)において、洗面室を美容空間化するための新たな提案を行っている。東京ガス都市生活研究所との共同監修によって実現したもので、新しい付加価値要素としても注目できそうだ。

「ファインコート茗荷谷」は、かつて大名屋敷がおかれた東京都文京区の千石に立地し、文京区でも約10%しかない第一種低層住居専用地域に邸宅風の外観をもつ7棟の戸建住宅が並ぶ。

周辺に点在する小石川植物園や六義園、護国寺などの歴史深い景観との繋がりを意識し、和のテイストを取り入れた外観デザインを採用した。具体的には、垂直の窓柱や列柱が建物躯体の陰影のある水平ラインと組み合わさることで、垂直の柱と水平の梁から成る伝統的な日本家屋を想起させる。

また、宅配ボックスや床暖房(LDの他DEN、キッチンに導入)、食器洗い乾燥機などの人気設備を導入しているほか、約2670mm~2870mmの天井高を確保している。

さらに、「健康」「省エネ」「安心・安全」「快適性」を実現したスマートウェルネス住宅として企画。適切な室内温熱環境を実現するためにZEHレベルの断熱性能を備えているだけでなく、換気の際に室内の熱を約85%再利用する全熱交換換気システムや、脱衣室や浴室の温度差を軽減してヒートショック対策に貢献する天井埋込型脱衣室暖房機、ミストサウナ付浴室暖房乾燥機などを導入している。「省エネ」「安心・安全」のために停電時発電継続機能付エネファームも全棟で採用した。

女性に自分のための時間を洗面空間に新たな機能を付与

「ファインコート茗荷谷」の№6では、洗面空間に新たな提案を盛り込んだ。東京ガス都市生活研究所との共同監修で実現したもので、多くの女性が求める美容に適した機能性と居心地の良さを提案している。

東京ガスでは、「入浴×美容プロジェクト」として、生活者の声や各種データ、科学的知見をもとに女性達がきれいになる暮らし方を提案している。

東京ガス都市生活研究所が実施した調査によると、自分のための時間を増やしたい(「増やしたい」と「やや増やしたい」の合計)という女性は、共働きママで88.6%、非共働きママで77.0%を占めている。自宅で今後も増やしたい自分のための時間を聞いたところ、「肌や髪のお手入れ」という回答が共働きママで48.5%、非共働きママで54.1%に達している。

その一方で一般的な洗面室を見ていくと、脱衣所や洗濯機置き場を兼ねていることが多く、家族全員が使用するため、なかなかゆっくりと肌や髪のお手入れができないのが現状だ。

入浴直後、肌水分量は一時的に大きく増加するが、しっとり感を保つためには、入浴後に素早くケアすることが大切であるとされている。加えて、洗面室が快適な環境(室温25℃、湿度50 %)であれば、肌水分量は入浴前よりも高く維持できるというデータもある。

こうしたデータから、入浴直後に快適な環境に保たれた洗面室でスキンケアを行うことが重要であると言えるが、先述したように多くの洗面室はゆっくりと肌のケアを行うような空間にはなっていない。

そこで、東京ガス都市生活研究所では、洗面室を美容空間化するためのプランを検討。そのプランのひとつを「ファインコート茗荷谷」の№6で具現化したというわけだ。

家族共有の洗面台の奥にスキンケアなどを行うためのカウンターを設置
三井不動産レジデンシャルと東京ガス都市生活研究所との共同監修で実現した洗面空間

スキンケアカウンター、専用収納などで美容機能を強化

まず脱衣室暖房機やタオルウォーマーなどによって、冬場でも心地よく女性が自分の時間を創造できる環境を整えている。

また家族が使用する洗面台とは別に、座りながらスキンケアなどを行うことができるカウンターを設置。カウンターの前にも収納スペースを備えた三面鏡がある。

一般的な洗面台の鏡でメイクを行う際、「鏡まで遠い」という声がある。スキンケアカウンターは、顔と鏡の距離を適切に保てる奥行きにしている。

スキンケアカウンターの周辺には化粧品や美容グッズなどを収納しやすい引き出しや棚などを座った状態で手の届く範囲内に数多く設けている。

洗面空間は、例えばリビングやキッチン空間などと比較すると付加価値を付与する場としての注目度が低く、あまり新たな提案が行われていない場所でもある。しかし、現在の住宅事情を考慮していくと、女性がゆっくりと入浴後にスキンケアを行える場所は少ない。  忙しい女性が自分の時間を創造するという点からも、洗面空間には提案の余地が残されており、「ファインコート茗荷谷」での提案は、今後の新たな付加価値創造に向けたヒントになりそうだ。