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団地再価値化推進協議会、団地再生の新制度 三つ星認定で優良分譲団地を顕在化

買取保証も付帯し若年層の居住呼び込む

団地再価値化推進協議会(東京都・代表 金丸典弘氏)が団地再生の新たな仕組みを作った。居住環境や運営・管理、コミュニティ形成などの観点で優良な分譲団地を三つ星で認定。加えて、同協議会を通じて供給された一定の要件を満たしたリノベーション住戸を購入した場合、買取保証を付帯する。

新たな仕組みで高齢化の進む分譲団地に若者を呼び込み活性化を図りたい考えだ。

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コミュニティなども含め
独自の評価基準

建築家、宅建業者、金融機関などからなる団地再価値化推進協議会は団地再生の新たな仕組みを作った。その一つが、「三ツ星団地認定」だ。住戸の所有者が買売する際などに申請。協議会が団地ならではの良さを、独自の基準「DANCHI-SCORE100」に基づいて評価し、優良団地の顕在化を図る。従来の不動産評価では、立地が評価の中で大きな要素を占めていた。

「DANCHI-SCORE100」では居住環境(耐震性、修繕計画、緑化率、敷地のゆとり)、運営・経営(理事会の将来のビジョン、修繕金、資産活用、管理組合・自治会の運営状況)、コミュニティ(イベントの実施、コミュニティスペースの充実度、子育て・在宅介護支援)といった評価軸を採用。住戸・住棟と団地全体でそれぞれ100点満点で評価し、それぞれを合わせた結果を総合的に★の数で示す(最高は三ツ星★★★)。

今春をめどにウェブサイト「団地マーケット」を立ち上げ、そのなかで首都圏の分譲団地を対象に、「三ツ星団地認定」で評価した団地を紹介していく予定。「理事会や管理組合が、運営の参考にしたり、消費者が住宅購入の参考にしてほしい」(金丸代表)。

買取保証も付帯し
若年層の居住呼び込む

また、団地再価値化推進協議会は今年夏をめどに、「三ツ星団地認定」で★★★と認定された住戸を購入した場合、買取保証を付帯する取り組み「ミレニアル世代ローン」も開始する予定だ。ただし、当初は物件の所有者が協議会に流通を委託し、協議会がリノベーションを施した上で流通に乗せたものに限る。住戸購入10年後なら購入価格の7割、20年後なら購入価格の5割で、団地再価値化推進協議会が買い取りを保証する。若年層が将来的に住み替えを検討している場合でも、団地の住戸を購入しやすいようにする。

首都圏では、中古分譲マンションの成約件数が新築の供給戸数を抜き、一次取得者の若年層を中心に中古分譲マンションの流通マーケットがすでに構築されている。中古の“分譲団地”においては、まだ流通マーケットが形成されているとは言い難い状況だ。

「若年層では、郊外の分譲団地は選択肢に入ってこない状況。団地と言うと賃貸の意識しかなく購入して住めることすら知らない人も多い」(同)。しかし、約200万戸弱ある分譲団地のうち既に6.7%は空き家で、今後は高齢化による相続に伴い加速度的に増えていく可能性が高い。結果、管理費・修繕費が集まらず荒廃していくことも懸念される。若年層を分譲団地に呼び込む必要性は緊急度を増している。団地再価値化推進協議会の団地再生の新たな仕組みがどれだけ効果を上げるのか——。今後に注目が集まりそうだ。

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ハウジング・トリビューンVol.633(2022年1号)

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