平成30年間の栄枯盛衰

ナイス主催の平成31年新春経済講演会で、大手建材・設備メーカーの社長などを交えたパネルディスカッションが行われた。ディスカッションのテーマの一つは、「平成」。各社社長が1つのキーワードを上げ、平成という時代を振り返った。

外壁材メーカー最大手のニチハの山中龍夫社長は、平成2年に発売した高級グレードの窯業系外壁材ブランド「エクセラード」をキーワードとして上げ、「現在当社の外壁材売り上げの6割を占め、会社の発展に大きく影響した商品。平成元年の住宅外壁材市場は、モルタルが47.5%、窯業系外壁材が32%だったが、現在は、窯業系外壁材が7.8%、モルタルが7%。平成30年間で外壁材市場は、商品が移り変わり大きく変貌した」と説明した。

平成30年間という大きなスパンで振り返ると、よりはっきりと、市場内での企業や建築材料の栄枯盛衰が見えてくる。

平成30年間で住宅屋根材市場も大きく変わり、現在進行形で変化し続けている。粘土瓦の出荷枚数は平成6年の約12億8000万枚から平成30年には約3億1000万枚まで急落。平成の初期には屋根市場で粘土瓦がトップシェアを占めていたが、スレート屋根にとって代わられた。そして長くスレート屋根がトップシェアを維持してきたが、最近の市場調査によると、リフォームで強いとされる金属屋根が新築市場においてもスレート屋根を抜きトップに立った。ここにきて金属屋根材メーカーから革新的な商品開発が相次いでおり、金属屋根優位の流れはさらに大きくなっていく気配がある。  ニチハの山中社長は、「時代の流れに対応した商品を出せれば、ビジネスチャンスはある。逆に言えば、世の中の構造の変化に対応した商品を出せなければ、あるいは、より使い勝手のいい素材などが出てくれば、私たちがモルタルの立場に変わる。自戒の意味を込めて平成という時代を振り返り『エクセラード』をあげた」と話した。 とくに現在のように社会構造や、人々の考え方、生き方が大きく変わる時代には、「生き残れるのは、変化に対応できる者」というダーウィンの有名な言葉を引くまでもなく、企業にとって現状維持は、衰退し、淘汰されていくことを意味するのかもしれない。

大手建材・設備メーカーの社長らを交えたパネルディスカッションで、ニチハの山中龍夫社長は、平成を振り返り「エクセラード」というキーワードをあげた

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国産材を取り巻く環境は近年、劇的に変化している。
伐採期を迎えた国産材を積極的に活用しようという機運が高まり、また、SDGs、脱炭素といった観点からも国産材に脚光が集まる。
さらに、新型コロナ感染拡大の影響で、外材の輸入が滞り、外材が高騰、不足する逼迫した状況の中で国産材へのシフトが加速する。
こうした中で、持続可能な形で国産材活用を推進していこうとする住宅事業者などの取り組みも活発化しつつある。

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