省エネ基準の適合義務化が先送り
平成を通じ、国、業界、そして市場のすべてでダイナミックな動きが続いたテーマが「省エネ」であろう。
1992年に「新省エネ基準」がスタート。住宅金融公庫融資において基準金利(最低金利)の一条件とされたことで住宅企業はいっせいに同基準以上を標準仕様とした。1999年に告示された「次世代省エネ基準」は、性能表示制度の省エネ対策等級において最高ランクの4に位置付けられ、そのクリアが進んだ。以降、「H25年基準」、「H28年基準」と現在に至っている。
住宅の省エネ化は、平成を通じて着実に歩を進めてきた…はずであった。
だが、先に、国土交通省は2020年の省エネ基準への適合義務化を先送りすることを含む報告書案をまとめた。全体的に時期尚早という慎重意見が多かったという。「住まいの豊かさや設計者・建築主の自由度を失う恐れがある」「全事業者が最低限満たすのであれば、現行基準ではなく基準体系や評価基準を再構築する必要がある」などの意見にはうなずける部分も多い。
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