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社名変更から5年、新たなスタート 普及価格製品を強化顧客の価値観に合う長く使える製品を提供

トクラス 代表取締役社長 佐々木良 氏

社名変更から5年が経ち新たにブランドスローガン「ずっと、こころに届くもの。」を掲げたトクラスは、高い技術力を活かして顧客の価値観、感性に合う製品づくりに注力する。佐々木良社長に今後の経営方針などを聞いた。

トクラス 代表取締役社長 佐々木良 氏

──ブランドスローガンを掲げた意図や込めた思いを教えてください。

2013年にトクラスに社名変更をしてからちょうど5年が経過しました。まだまだ変革期が続いているなかで、新たなコンセプトを設けて製品づくりなどに取り組んでいきます。他業種ではシェアリングや定額利用システムなどの商品のサービス化が進んでいますが、バスタブやキッチンをはじめとする住設機器は、耐久消費財としてのポジションが続くものと考えます。そのため長い期間使っていても高い機能が維持できる、長く使ってもらえる製品づくりをしていくことが大事になると思っています。当社のキッチンは40年以上、バスは50年以上の歴史があります。嬉しいことに長くご愛用くださっているお客様が多く、中には35年ぶりのリフォームでも当時のヤマハシステムキッチンを交換せずに使い続けてくださっている方もいます。理由は「家族の記憶が宿っているから」。勿体ないということ以上に、思い出や記憶が刻まれていること、ずっと使い続けていくことに価値を見出していたのです。このお話を聞いたとき、このような形で長く使われていくこと、お客様の人生に寄り添っていくことを会社として受け止め理解することが必要なのだと感じました。そこで新たに掲げたブランドスローガンが「ずっと、こころに届くもの。」です。息長く愛していただける製品をつくり、お客様の長い人生をサポートしたいという思いを込めています。当社の提供する製品にお客様の記憶や人生、生活の価値がプラスされることで愛着を持って長く使ってほしいと思っています。

──ヤマハリビングテック時代から技術やものづくりにこだわってきた印象を受けます。

ものづくりにこだわりを持っているのは確かです。今もヤマハリビングテック時代の技術をルーツにもつ社員が多くいますが、その技術をもう一度見直すことで新しい製品が生まれるのではないかと思っています。

たとえば40年以上の歴史がある人造大理石でも様々な新しい取り組みをしています。ご好評いただいているキッチンの「くらしオーダー」はお客様に合わせてカウンターサイズやシンク・コンロの位置をミリ単位で調整でき、色も多種選べます。人造大理石を原料から作っている我々の強みを活かした製品のひとつです。原料から作っているため形状や色を自由にコントロールできるのです。我々の加工技術を施すことでより新しいテイストのカウンターをつくることも可能でしょう。来年には普及価格帯にもカウンターの新機軸を提案したいと考えています。

──進めてきた構造改革は一区切りとみていいのでしょうか。

2年前に思い切った構造改革に踏み切り、私が社長に就任してそれを実行してきました。昨年は40カ所あった拠点を28カ所にするなど全体で30%の固定費を削減しました。2017年3月期の売上高は334億円であり、単純に考えたら100億円の減収となりますが、例え減収となっても採算性や付加価値商品の提案により利益は確保できる計算していました。2018年3月期の売上高は280億円・前期比16%減で、営業利益は5億5900万円です。今期も9月までダウントレンドが続きましたが、10、11月は持ち直し前年並みで推移しています。

経営者としてはここからがスタート、再出発という気持ちです。ここ2年間は構造改革のなかで付加価値を残すために中高級品へのシフトを進めてきました。これからは中高級品だけに集中するとかえって売り上げは伸びず、維持をするだけの守りになってしまいます。構造改革が一巡したなか、もう一度自由な目線で戦略を構築していく考えです。今、中期事業計画を策定中です。来春には発表しますが、骨子は普及ゾーンの強化です。

今、東京だけでなく上海や北京、ホーチミンなど、世界的に都市部への一極集中が続いています。住宅がだんだん小さくなり、そこでより快適な生活を求めるというのがこの10年間の大きなトレンドになると見ています。一人もしくはパートナーと二人という世帯が増えてくる。狭い空間で快適に暮らすという在り方がメインストリームになってくるのではないでしょうか。

こうしたなかでキッチンやバスはどうなっていくのか、コンパクトかつリーズナブルな価格で愛着が持てるものを提供していく必要があると考えています。小さいキッチンでも、メンテナンスをすれば使い続けられる、サステナブルでお客様の価値観に沿った商品づくりに取り組んでいきたいと考えています。

──設備機器だけでなく新素材などの開発にも注力されていますよね。

先日、信州大学が得意とする結晶の育成技術を応用して共同で世界初の浄水素材と浄水ボトル「NaTio(ナティオ)」を発表しました。水道水をカートリッジに通すことで残留塩素や、老朽化した水道管から溶け出した鉛などの重金属を瞬時に除去するというものですが、ニーズがあれば今後の展開も考えていきたいと思っています。ただ、あくまで住設機器として考えているので水栓に組み込んだものなどを検討していきたいと思っています。また、浄水器は基本的には住設機器との親和性がありますから、これからいろいろな企業とアライアンスを組むということも十分に考えられます。

中国には浄水器をベースにした子会社の代理店がほぼ全省にあります。日系の浄水器のメーカーの中では中国での販売量が非常に多いのではないでしょうか。アジアの国や地域にはまだまだ水の環境の悪いところは多くあります。中国以外でのチャンスもあると考えています。

そのほか、最近ではセルロースファイバーを含有するウッドプラスチックコンポジット(WPC)を開発しました。すでに多くのメーカーから問い合わせを頂いており、この素材がどのように使えるのか、協議を進めているところです。

──一貫してものづくりをすごく大切にされていることがよくわかります。では最後に今後の方向性を教えてください。

やはり技術力、ものづくりに対する姿勢がベースになってくると思います。満足で快適な生活をお客様が送れるよう、技術をデザインに活かした製品づくりが必要になります。長く使っていただける製品を提供することが、本物の技術だと思っています。トクラスブランドは始まってまだ5年です。あらゆることに挑戦しそこで多くの学びを得て、その学びをもとにより良い製品を開発、お客様に届けたいと思います。

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ハウジング・トリビューンVol.631(2021年22号)

特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
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